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  • 2021.05.07
  • コラム

保育園で行うべき熱中症対策とは?その症状や熱中症が起きた時の対処まで解説

保育園での熱中症

日本ではここ数年災害級の暑さが続いています。幼い子どもが長時間過ごす保育園において、熱中症対策は必須です。体温調節機能が未発達な子どもは熱中症にかかりやすいと言われています。

昨年に続き感染予防の観点からマスクを着用するシーンも多く、保育園外はもちろん、室内にいるときも十分注意しなければなりません。

この記事では、保育園の運営者、これから運営しようと考えている人に対して、子どもの熱中症リスクや保育園が取り組むべき熱中症対策を解説するとともに、政府の最新情報についても紹介します。

子どもに熱中症リスクが高い理由

熱中症とは、体温の上昇によって水分・塩分バランスが崩れたり、体温調節がうまくいかずにめまい・けいれん・頭痛などの症状を引き起こす病気のことです。

子どもが熱中症にかかりやすい理由は、以下のようにいくつかあります。

子どもは体温調節が未熟

体温調節は、脳の視床下部にある体温調節中枢の指示で、皮膚の毛細血管を収縮、拡張させて行われます。成長するにつれ外気温に合わせ体温の調整ができるようになるのですが、子どもはこの機能が未熟なので熱中症になるのです。

また、子どもの体の水分量は約70~80%であり、大人の約60%に対し多めです。摂取した水分とほぼ同量を発汗・排泄で失い、臓器が未発達なので水分や電解質を体内に留めておけません。そのため、大人に比べ、必要な水分量の割合が高くなるのです。

一日に必要な水分量(体重1kgあたり)

新生児(生後4週間) 50~120ml
乳児(1歳未満) 120~150ml
幼児(1~6歳) 90~100ml

参考URL:公益社団法人日本医師会 常任理事 羽鳥 裕「熱中症の予防について」

熱が体内にこもりやすく、水分を多く必要とするため、熱中症にかかりやすいのです。

周囲の熱反射による影響が大きい

子どもは背が低いので、歩行中はもちろんベビーカーに乗っているときも、照り返しの影響を受けます。

夏の日に30℃と発表されても、アスファルトなど路面の地表温度は50℃以上です。1.5mより上に顔がある大人の顔周りが30℃だとすると、小さい子どもの顔周りは38℃前後、ベビーカー内の乳幼児はもっと厳しい環境で過ごすことになります。

参考URL:ウェザーニュース「アメダスの気温の数字より私たちは暑い中で過ごしていた!」

体調不良に鈍感なため

子どもは運動量が多く、遊びに夢中になってしまいうので、自分の体調の変化に鈍感です。具合が悪くても上手く頭で理解できず、具体的な症状も言葉にできません。

自分から積極的に水分を補給したり、服を脱ぐなどの対策も取れないので、こまめな声掛けと体調チェックが重要です。

定期的に「のどは乾いていないか」「体調は大丈夫か」「顔がほてっていないか」「服装は適切か」「日なたで遊びすぎていないか」、などを確認する必要があります。

熱中症の具体的な症状4つ

熱中症の種類と、それぞれの症状が引き起こされる原因について詳しく解説します。

熱失神

熱失神は熱中症の初期症状です。めまいや立ちくらみ、一時的な失神、脈が速く弱くなるなどの症状が見られます。

日差しの強い場所や、室温の高い場所で長時間遊んでいると熱が体内にこもり、脳の温度が上昇します。体は体温を下げるため毛細血管を拡張させるのですが、それにより全身の血流が減り、血圧も下がって脳への血流が減少します。

顔面蒼白になり突然倒れたり、倦怠感や吐き気、頭痛を伴うケースもあります。

熱けいれん

熱けいれんは、汗をかいたときに水分だけを補給し、血中の塩分濃度が下がったときに引き起こされます。主な症状は筋肉痛や、手足のつり、部分的なけいれんです。

けいれんは体の一部だけで、全身のけいれん(てんかん)とは異なるので注意が必要です。足や腕、腹部の筋肉に痛みを伴うケースも見られます。

熱疲労

熱疲労は、高温下の運動で大量に汗をかくことで引き起こされ、熱射病の前段階でもあります。倦怠感やめまい、40℃未満の体温上昇、悪心や頭痛などが主な症状です。

大量の発汗で水分補給が追いつかず、脱水状態になります。意識はあるものの、集中力や判断力は低下し、明らかに疲労しているように見えます。

熱射病

熱射病は、熱疲労が重症化した段階で、死に至ることもある危険な状態です。40℃以上の高体温、発汗停止、血圧上昇、中枢神経障害、多機能不全、昏睡などの症状が見られます。

意識障害(ろれつが回らない、反応が鈍い、言動がおかしくなる)や、ショック状態になる場合もあるので注意が必要です。

保育園で夏場に行うべき熱中症対策

水分補給する子供

熱中症は予防できる病気です。夏場の保育園で、特に意識したい熱中症対策について解説します。

こまめな水分・塩分補給

水分はのどが渇く前に補給すると、脱水状態を防げます。こまめに摂取し、状況に合わせて水分量を調整します。水分補給のタイミングは以下です。

  • 運動の前後
  • 食事やおやつ
  • お昼寝の前後

水分補給は無糖の水かお茶が基本です。ただ、炎天下や高温多湿の室内にいる場合は水分と塩分のバランスが取れた「経口補水液」や「薄めたスポーツ飲料」をおすすめします。

「塩あめ」など市販されていますが、塩分だけ取りすぎると、まれに塩分中毒で嘔吐や意識障害が起こる可能性があります。そのため、塩分と水分を同時に摂取することが大切です。

日差し、暑さを避ける

夏の暑い日は直射日光を避け、日陰や風通しの良い場所を選びます。時間帯を工夫して、無理のない範囲で遊ばせるようにしましょう。お出かけするときは、通気性の良い服装を心がけ、つば付き帽子を着用させます。

保育園内に直射日光が降り注ぐ場合は、以下のような方法で対処します。

  • 遮光ネットを取り付ける
  • 日よけシェード、タープを取り付ける
  • グリーンカーテン用の植物を栽培する
  • 園庭に簡易テントを設置する

温度と湿度をこまめに確認

熱中症は屋内でも起こるので、エアコンを使うなどして保育園内の湿度と室温を調整しましょう。夏場の室温目安は26~28℃、湿度は50~60%です。外気温との差は5℃以上にならないよう注意します。

設定温度を1℃高くすると、10%前後電力消費が抑えられます。エアコンの冷たい空気が行き渡るよう、扇風機やサーキュレーターの併用もおすすめです。

冷たい空気は下に溜まるので、エアコンの風向きは水平かスイングに設定、扇風機は上向きにして空気が循環するよう工夫します。

ここまで、保育園が行うべき熱中症対策を紹介してきましたが、スクルドアンドカンパニーの保育園運営では、保育園での熱中症対策を徹底して行っています。熱中症以外にも保育園運営に関する、あらゆるサポートを行っています。どんなご相談でもお気軽にお問い合わせください。

スクルドアンドカンパニーの問い合わせ先
電話番号:03-6273-2760
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保育園で熱中症が起こった際の対策

夏場はプールや七夕など屋外の行事も多いため、熱中症が起った場合を想定しておかなくてはなりません。重症の場合は死に直結する可能性もあるので、どういった症状が危険なのかをスタッフなどに周知しておくようにしましょう。

ここでは、環境省の「熱中症環境保健マニュアル」を元に、対策のポイントを解説します。

意識状態に異常がある場合

子どもの意識に異常が見られたら、すぐに救急車を呼ぶようにしましょう。熱中症で救急車を呼ぶ目安は、意識障害、40℃以上の高熱、全身のけいれん、発汗しなくなるような場合です。

以下のような手順で、応急手当も同時に進行させてください。

  1. 涼しい場所に移動させ、頭を低くして寝かせる
  2. 意識があり、誤嚥のリスクがないなら水分・塩分を補給する
  3. 衣服をゆるめるなどして体の熱を発散させる
  4. 露出させた皮膚に冷たいタオルや冷水をかけ、うちわや扇風機で冷やす
  5. 氷や氷のうで太い血管のある首の両側、脇の下、太ももの付け根を冷やす

症状が軽い場合

症状が軽くても、時間の経過で重症化する場合もあります。応急手当と同時に病院を受診する準備と、保護者への連絡を同時進行させます。

吐き気を訴えていたり吐く症状があれば、無理に口から水分を摂らせず、医療機関で点滴などの処置が必要です。目を離さず見守り、症状が改善されなければ病院へ連れていくようにしましょう。

コロナ禍での保育園の熱中症対策!政府の最新データをチェック

政府が発表しているマスク着用時における熱中症対策と、2021年の見通しについて解説します。保育園を運営する場合には、こういった国の情報はチェックしておく必要があります。

新しい生活様式のなかの熱中症対策

昨年に引き続き、新型コロナウイルスの感染予防でマスクを着用しているため、例年以上に熱中症対策が必要になります。令和2年度に発表された厚生労働省「熱中症予防行動」のポイントは以下の通りです。

暑さ対策 エアコンの温度設定をこまめに調整
暑い日や時間帯は無理をしない
涼しい服装を意識する
急に気温が上昇した日は特に注意する
適宜マスクをはずす 気温・湿度の高い中でのマスク着用は要注意
十分な距離(2m以上)が確保できるならマスクをはずす
マスク着用時は激しい運動をしない
適宜マスクをはずして休憩をとる
こまめな水分補給 のどが渇く前に水分補給する
1日あたり1.2Lが目安
大量に汗をかいたときは塩分も摂取する
健康管理 日頃から体温測定、健康チェックを欠かさない
体調が悪いときは自宅で静養する

2021年夏の見通し

涼しい保育園

2021年春にラニーニャ現象が終息したので、2021年夏は平常である可能性が高いです。

環境省と気象庁は適切な熱中症予防行動の定着を目指し、2021年4月28日に熱中症予防行動を効果的に促す「熱中症警戒アラート」を全国で運用開始しました。

厚さ指数の予測値や予想最高気温に加え、具体的に取るべき熱中症予防行動も含まれています。通知が届いたときに、エアコンを使用したり、外出を控えるなどの予防行動ができるようになるので、ぜひ活用してみてください。

おわりに:保育園での熱中症対策は万全に運営する必要がある

子どもは暑さによる健康障害のリスクが高いため、より一層の注意が必要です。早い時期から保護者への通知や保育園の設備を充実させておきましょう。

熱中症の予防や発生したときの応急処置などの情報を保育士と共有したり、指導する体制を作ることが重要です。

スクルドアンドカンパニーの保育園運営では、熱中症対策のルールを策定するとともにスタッフへの研修、設備の点検なども行い、万全な熱中症対策を行っています。熱中症以外にも保育園運営に関するあらゆるサポートを行っています。どんなご相談でもお気軽にお問い合わせください。

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