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- 2021.05.07
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保育園の開設に必要な備品とは?備品選びのポイント、注意点を紹介
保育園を開設するときには、備品の準備をしなくてはなりませんが、この準備はとても大変です。開設に向けて人材採用や届出書類作成などやるべきことはたくさんあるのに、用意しなければならない備品は多岐にわたります。
忙しく保育園の計画を立てているときや、竣工してから開設まで時間がないときなど、備品の発注に追われる経営者や園長先生は多いです。いざというとき困らないためにも、どんな備品が必要なのかをチェックしておきましょう。
この記事では、備品選びのポイントを解説するとともに、新学期用品や教材、器具類など、定番商品をリスト化して紹介します。
保育園に必要な備品とは?
保育園の開設が決まったら、必要な備品を事前にリスト化してから発注するとスムーズです。まずはリストを作りましょう。備品の内容は、園舎の広さや間取り、定員数や従業員数に合わせて考えます。
シーン別、ジャンル別に備品リストを紹介しますので、運営を開始してからも子どもの受け入れに対応できるよう検討してみてください。
新学期用品
新学期に必要な備品は、園児一人ひとりに配布するものや保護者との連絡に使うもの、従業員の制服などです。
入園準備用品 | 連絡帳、出席簿、調査票(家庭調査票用紙など)、雑費袋、おしらせ袋、座布団、防災頭巾、名札 |
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先生が利用するもの | 教育関係者向けコンテンツ(本、DVD)、制服(エプロン、スモック、ジャージなど)、大人用日よけ帽子、スタンプ |
園内装飾 | ウォールステッカー、ガラスフィルム、色画用紙、折り紙 |
災害備蓄品 | 人数分の水と食料(3日分)、防寒具、ラジオ、医薬品、簡易トイレ、電池、バッテリー、携帯カイロ、紙おむつ |
教材類
年間のカリキュラムやイベントスケジュールに合わせて、保育中に園児や従業員が使用する教材や文具、クラフト素材を用意します。
教育教材 | ワーク(知育、季節)、絵本、紙芝居、プレゼント用カード、紙工作セット、メダル・トロフィー、ラッピング素材 |
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造形・絵画 | お絵かき帳、えのぐ、クレヨン、サインペン、ねんど、子ども用はさみ、シール、でんぷんのり |
器具類
保育園内で利用するインテリアなどの器具を準備する必要があります。園児と従業員が使う常設のものと、1日のスケジュールに合わせ、出し入れして使うものがあります。
事務室用 | 更衣ロッカー、オフィスデスク、オフィスチェア、デスクワゴン、ラック、ワゴン、掲示板、ホワイトボード |
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園児用 | キッズテーブル、キッズチェア、タオルハンガー、おもちゃ箱、ブックスタンド、収納ワゴン、プレイマット |
電化製品 | パソコン、プリンタ、Wi-Fiルーター、シュレッダー、電子レンジ、電気ポット、扇風機(サーキュレーター)、タイムカード、ラベルライター、延長コード |
セーフティー用品 | ベビーサークル、ベビーゲート |
お昼寝用品 | ベビーベッド、布団セット、防水シーツ、マットレス |
避難用品 | 避難用フード、避難用抱っこ紐、避難用キャリー |
給食関連 | ベビーサークル、ベビーゲート |
衛生用品 | 哺乳瓶殺菌保管庫、哺乳びん煮沸消毒槽、救急箱、おまる、補助便座、おむつ処理容器、空気清浄機 |
遊具・おもちゃ類
園内、園外で遊ぶときに使う遊具・おもちゃ類を用意します。安全性や耐久性を意識して選びましょう。
玩具・楽器類 | パペット、積み木、ブロック、ピアノ、タンバリン、鈴、太鼓 |
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お散歩用品 | ベビーカート、ベビーカー、幼児誘導ロープ |
遊具 | 滑り台、ハンドカート、スケーター、トンネル、プレイバルーン |
保育園の備品を揃える方法

保育園経営には、必要な備品がとても多いことがお分かりいただけたかと思います。
備品を調達するにはいくつか方法があるのですが、集め方によって開業資金の総額が変わってくるので注意が必要です。
ここでは、備品を入手するのにどのような方法があるのかを紹介します。
委託会社に依頼
備品の調達が最もスムーズにできるのが、委託業者に依頼する方法です。保育園の開設サポート実績が豊富な委託業者を選べば、定員数や従業員数、レイアウトに合わせて、無駄なく必要な備品をリストアップしてもらえます。
企業内に保育園を設置する場合は、備品の用意だけでなく運営ごと委託することも可能です。保育園の質は設備や従業員に大きく左右されますが、そのサービス提供に必要な備品が不足していては、園の魅力は十分に伝わりません。
委託業者なら、企業に合った備品選びはもちろん、什器や大型遊具の搬入、セッティングまですべて依頼できます。
ちなみに、私達スクルドアンドカンパニーは、保育園の備品調達はもちろん、開設に必要な人材採用や集客までトータルでサポートします。「自社に合った備品をピックアップしてほしい」「初期投資を抑える方法を提案してほしい」など、御社の要望をお聞かせいただき、最適な保育園経営を一緒に考えます。
お店で購入する
お店で備品を購入する方法には、実店舗とネットショップの2通りがあります。
実店舗は目で見て触って選べる点がメリットですが、保育園向け商材を取り扱う店舗は多くありません。実店舗があったとしても交通費と運搬費がかかり、在庫がなければ取り寄せる必要があります。
ネットショップは店舗数と情報量が多く、24時間いつでも発注できる点がメリットです。ただ、情報量が多いゆえに選ぶのに時間がかかり、複数店舗から仕入れる場合はそれぞれ送料がかかります。
カタログで購入する
保育園向けのカタログ(冊子)とデジタルカタログがあります。必要な備品がジャンル分けされており、ニーズの高い商品がすでにピックアップされているので、選びやすい点がメリットです。送料も一定額以上購入すれば無料になります。
ただ、便利な分割高な商品が多く、選択肢が狭まる点がデメリットです。継続的に発注する教材や消耗品類は、直接メーカーとやり取りした方が経費は抑えられるでしょう。
保育園の備品選びのポイント6つ

備品選びといっても、必要なアイテムを選んで、ただ発注すればいいというわけではありません。人気のあるもの、絶対に必要なものなど、考え出したらキリがないので大変だと思います。
商品選びを間違えばすぐに壊れてしまいますし、それで子どもがケガをしてしまう可能性もあります。安全性や耐久性などに配慮しつつ、以下6つのポイントを参考にしてみてください。
1.中古品はなるべく使わない
保育士や園児が触れるものは、なるべく新品で調達します。工事費や広告宣伝費、人件費など出費がかさみ、経費節減のために中古品を検討したくなるかもしれません。
ただ、開設当初の印象はとても重要です。せめて人の目にふれる机、イス、おもちゃ類、絵本、ロッカー、掃除用具、整理棚などは新調しましょう。
園の運営に携わるメンバーが、気持ちの良いスタートが切れるよう意識してみてください。
2.トータルコストの計算をする
備品の発注はトータルコストから逆算して考えます。30坪前後の保育園(定員20~30名)の費用相場は60~100万円です。
ただ、内装工事費に造作家具(備え付けロッカーや棚)が含まれない場合は、さらに高額になる可能性があります。
3.減価償却も考慮する
減価償却を意識しながら備品を選んでいくのも大事なポイントです。備品類の勘定科目は、10万円未満で「消耗品費」、10万円以上は「備品費・備品」です。中小企業の場合は、30万円未満の什器備品も消耗品費として経費処理できます。
例えば、机とイスがセットで販売されている場合は「1セットでひとつの資産」とみなされます。セット価格が10万円を超えると減価償却が必要となり、机とイス別々に購入すれば減価償却が不要です。
また、30万円以上の備品のうち「遊戯具」「家具」「一定の防犯設備」は特別償却の対象です。特別償却費の会計処理を特別損失にすると、決算書の見た目が改善できます。
4.収納・保管環境を考える
内装工事が終わってから開設するまでの間に、大量の備品が一気に納品されます。そのため、保管環境を整えておかなければなりません。
業務に支障が出ないように、以下のポイントを意識して収納・保管場所を確保しましょう。
- 備品の置き場を決めておく
- デッドスペースを探しておく
- ひと目でわかる状態に配置できる収納アイテムを優先
- 書類などは立てて保管できる収納アイテムを優先
5.感染症対策にも配慮する
新型コロナウイルスの感染拡大により、検温と手指の消毒は欠かせません。
消毒用・除菌用の備品を充実させれば園児と従業員の健康が守れますし、保護者にも配慮が行き届いている保育園と認識されます。そのため、以下のようなアイテムを積極的に導入してみてください。
- ゴミ箱、くず入れはステンレス素材やペダル型
- タオル掛けなどは間隔が広いアイテムを優先
- 消毒液は園児の高さに合うスタンド式
- 従業員常備用のロールペーパーやティッシュペーパーは定期発注
6.企業主導型保育園、院内保育園では備品選びも重要な要素
企業内・院内に設置された保育園は、子どもを預ける保護者から見ると「単に子どもを預かるだけの託児所」と見られてしまう場合があります。だからこそ、認可保育園よりも魅力的に見せる工夫が必要です。
備品の選び方次第で、園の魅力をさらにアップさせられます。人材採用や集客を円滑に進めるためにも、備品選びは専門の会社に委託するとより効率的です。
コンセプトや品質を重視した備品選びは、スクルドアンドカンパニーにお任せください。企業主導型保育事業の申請、開設サポート実績が豊富の弊社開設マニュアルに基づき、備品一式のレイアウトをご提案いたします。
備品準備後にすべきこと
備品の調達後は適切に維持管理しなければなりません。園児のケガ、コスト増、業務効率の悪化を防ぐために、必要なポイントを開設します。
備品管理表を作成する
何をどこで管理しているのか、棚卸で備品が問題なく管理されているかチェックするために「備品管理表」を作成します。
エクセルなどの表計算ソフトで、備品を区別するための「管理番号」「名称」「保管場所」「利用状況」「購入日」「保証期間」「破損・故障・修理履歴」「更新日」などの項目を作成します。もしものときのために、保証書やマニュアルのデータをURLで添付しておくと安心です。
日々のお手入れ
1日、月間、年間の業務オペレーションに、備品のメンテナンスを組み込みましょう。
家具・遊具の点検、ベビーカートのブレーキワイヤーのチェック、空気清浄機のフィルター交換、避難備蓄品の賞味期限切れチェックなどが該当します。
補充
園の収納スペースには限りがあるので、余分な在庫を抱えないように消耗品を適切に補充します。
アイテムごとにサイクルを算出し、オペレーションに組み込みましょう。経費節減のための発注先見直しや、定期的な値下げ交渉も大切です。
委託業者は「備品チェックリスト」「備品管理マニュアル」「消耗品補充サービスの提案」などのオペレーションをすでに確立しています。マニュアルに沿って運営すれば、従業員の事務作業の負担は軽減され、本来やるべき保育業務に集中できるようになります。
おわりに:保育園の備品準備はコストと知識が重要
理想の保育園を開設するためは、どんな設備や備品が必要なのか事前に把握しておくことが大切です。ただ、備品の準備には正確なコスト計算や、法律の知識が求められます。
企業主導型保育や院内保育では、備品においても差別化が必要です。自社の経営理念に沿った「オリジナルの保育園」を開設するためにも、企業の就業形態や状況に応じた設計ができる委託業者への依頼をおすすめします。
スクルドアンドカンパニーは事業所内、院内保育園を含め全国で60施設以上の保育園の運営実績があります。高い専門知識と経験を持ったスタッフが、備品の提案からレイアウトまでワンストップでサポートします。どんなご相談でもお気軽にお問い合わせください。