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  • 2021.06.23
  • コラム

社内託児所とは?その設置方法と補助金について解説します

社内託児所
女性の社会進出と核家族化が進む現代では、社内に託児所を設置する企業が増えています。社内託児所の設置は、女性社員の活躍推進や待機児童解消の効果、社員の定着率向上や企業イメージの向上につながります。

とはいえ、社内に託児所を作りたいと思っても、必要な設備が多く、手続きが複雑でわかりにくいという面があると思います。

この記事では、社内託児所を作りたいという企業や担当者に向けて、社内託児所の現在の状況や導入方法、設置までのプロセスについて詳しく解説します。

社内託児所のメリット

社内託児所に預ける親

社内に託児所を設置している企業が多いのはメリットがあるからです。社内託児所を設置・運営するメリットは、以下の3つが考えられます。

メリット1.離職・復職延期を減らせる

社内託児所があれば、育児を理由にした離職や復職延期のリスクが減ります。

明治安田生活福祉研究所による「出産・子育てに関する調査(平成30年6月)」によると、第1子出産を機に離職する女性は46.9%にも上り、そのうちの10.9%が子どもの預け先を確保できなかったという理由で離職しています。

勤務時間中に子どもを見てくれる人がいない、預けられる保育施設がない場合、育児を理由に仕事を辞めなければなりませんが、社内託児所があればこのような理由での離職を避けられます。

子どもを保育園に入れるための「保活」の必要もなく、早期の職場復活をしてもらえる可能性もあります。

メリット2.人材の確保ができる

社内託児所によって人材の確保ができます。職場と託児所が同じ場所、もしくは近い場所にあれば、育児と仕事の両立がしやすくなり、採用によい影響が得られるからです。

社内託児所があれば登園の所要時間分を短縮できますし、急な発熱や怪我の際にも子どもの元へすぐに駆けつけられるため、親はそういった企業に魅力を感じます。

育児への支援によって、人材採用への応募の増加にも繋がるのです。優秀な人材の獲得は企業にとって大きな課題なので、社内託児所の設置は重要だといえるでしょう。

メリット3.業績の向上につながる

社内託児所は、企業の業績の向上にもつながります。

社内託児所があると、企業の社会的評価が向上します。それによって企業イメージが向上しますし、取引先・株主・地域からの評価も高まり、より売上が上がりやすくなるのです。

さらに、社内託児所によって従業員の定着率が上がり、人材が育ちやすくなります。その結果、社内の生産性が上がり業績に好影響が出るのです。求職者の反応も良くなることで、良いサイクルが回り出します。

このように、社内託児所には多くのメリットがあるのです。

社内託児所の種類

保育園の子供

託児所は、大きく分けて2種類あります。

  • 認可保育所
  • 認可外保育所

認可保育所

認可保育所は、自治体に認可された保育施設です。施設の広さ、保育士の数、調理・防災・衛生管理など、国や自治体が設けた認定基準をクリアした施設を指します。

開設へのハードルは高いですが、国や自治体から補助金が出るのがメリットです。設置の申請は、厚生労働省にします。

認可外保育所

認可外保育所は、認可保育園よりもゆるやかな設置基準が求められる保育所です。企業の場合は国からの補助金はほぼ出ません。

認可保育所に比べ開所時間や保育料などについて自由度が高い運営ができるため、多くの社内託児所が認可外保育所を選んで運営しています。設置の申請は、管轄の都道府県にします。

認可外保育所のなかには、「企業主導型保育所」も含まれます。企業主導型保育所は社内託児所と似た形態の保育所ですが、労働者の育児と仕事の両立支援を目的とし、国が企業に助成金を出して待機児童の解消と女性の社会進出を促進するものです。

社内託児所だけでなく企業主導型保育所に関しても、スクルドアンドカンパニーは豊富な実績があります。社内託児所運営、開園後のコンサルなどにも対応しており、社内託児所の設置申請、開園から運営までフルサポートしています。社内託児所を設立したい方はぜひご相談ください。

スクルドアンドカンパニーの問い合わせ先
電話番号:03-6897-3893
メールフォームはこちら

社内託児所設立の方法

保育園の設立準備

社内託児所の設立は、どのような手順を踏めばよいのでしょうか。ここでは、設立の流れを紹介します。

1.社内での設置検討

社内託児所の設置目的を確認すると同時に、従業員のニーズを把握し、社内託児所の全体像を明確にします。

ニーズの把握には、利用を希望する人へのアンケートを実施するのがおすすめです。アンケート利用希望の有無、対象児童の年齢、希望する開所時間、地域枠の必要性、保育料について回答してもらいます。

アンケートで把握した子どもの年齢や保護者である従業員の勤務日や勤務時間を元に、開所曜日や開所時間、設置場所を決めていきます。

従業員の中から育児経験者を募り、意見交換会を実施するのもおすすめです。保育施設から受けたいサポート、あってよかったサポート、社内託児所への要望について、情報収集できます。

2.設置方式を検討する

社内託児所には、単独設置・単独利用型、単独設置・共同利用型、共同設置・共同利用型、保育事業者設置型があります。それぞれの意味は以下です。

  • 単独設置・単独利用型:自社が単独で設置し、自社の従業員だけが利用する
  • 単独設置・共同利用型:自社が単独で設置し、ほかの企業と合同で利用する
  • 共同設置・共同利用型:自社が単独で設置またはほかの企業と共同で設置し、ほかの企業と共同で利用する
  • 保育事業者設置型:外部の保育事業者が設置した施設を、自社単独またはほかの企業と共同で利用する

単独利用型は、将来にわたり多くの利用者を見込める場合に向いています。共同利用型は、経済的負担や利用人数に増減による運用リスクを分散できるため、将来の利用者の増減の予測が難しい企業に向いています。

どの型でも、ノウハウのある設置や運営を保育事業者に任せることで、利用者の獲得や予測なども行ってもらえるので利用するのもよいでしょう。

設置方法の検討時には、地域枠を作るかどうかもあわせて検討します。地域枠とは、従業員の子どもを除く地域の子どもたちのための枠であり、従業員以外の地域の人びとに保育を提供できます。

地域枠では、従業員の子どもの数が減少した際にリスク軽減できますし、待機児童がいる地域では大きな地域貢献となります。

3.運営方式を検討する

社内託児所の運営方式には、自社運営・共同運営・外部委託と3つあります。自社で運営するか、他の企業と経堂で運営するか、外部の企業に委託するかという方法です。自社にあるノウハウなどを考慮して決めましょう。

社会福祉法人や学校法人、福祉部門がある企業なら事業のノウハウを活かして自社運営しやすく、実際に自社運営をしている法人が多くあります。

実際に運営している複数の社内託児所の視察もおすすめです。自社運営が可能かどうかは園長や保育士の経験やスキルにもよるため、運営の中心となる人材の確保と並行して検討すべきです。

4.自治体との調整

社内託児所の設置にあたり、遵守すべき法律や基準、手続き、地域枠の取り扱いなどについて、自治体の担当部署へ確認し調整します。担当部署は自治体によって異なるため、役所への確認が必要です。

設置に関連する法律には、建築基準法、消防法、食品衛生法などのほか、各自治体が制定する条例があります。これらの法律に従っているかを確認しましょう。

また、既存の建物に新たに設置する際、建物の用途変更手続きが必要なケースがあります。用途変更の確認申請には、確認申請素一式、建築計画概要書、検査済み証、確認済み証のほか、場合によって既存不適格建築物報告書の写し、委任状が必要です。

確認申請受領後に必要な設備の設置工事に着工し、完了後に完了届を提出します。いずれの書類も、提出先は各自治体の建築主事です。

5.設置場所の確保

社内託児所を含む認可外保育所には、広さの基準があります。0〜1歳児では1人あたり、乳児室1.65m²、ほふく室3.3㎡、2歳児以上では1人あたり、保育室または遊戯室1.98㎡の広さを確保しなければなりません。

設置場所は、従業員のニーズと活用可能な土地等の状況を踏まえ、自社内、駅前、従業員の居住地域などから設置場所を検討します。利用者は通勤時に子どもを同伴するため、設置場所には十分な配慮が必要です。

社内に設置しない場合は、職場から近く、通園しやすい場所を選ぶべきです。監視カメラやICカードリーダーの設置などセキュリティや安全面の確保も重要です。

設置の際には近隣住民の理解を得るため、説明会を開催し調整します。託児所や保育園から聞こえてくる子どもの声や楽器などのさまざまな音が、近隣トラブルの原因になりがちです。そうしたトラブルを未然に防ぐため、設置前から近隣住民と交流を持ち理解を深めてもらうことが重要です。

6.具体的な準備を進める

社内託児所の整備、保育士や保育スタッフなどの人材確保を進めます。まず預かる人数に合った社内託児所のレイアウトを考えます。同時に、ロッカーの位置、おもちゃをしまう場所、ブランコや滑り台のような遊具の配置も決めます。同時に、利用者の負担額について検討します。

運営を外部に委託する場合は、事業者の選定をします。

社内託児所は認可保育園に比べ預かる子どもの人数が少ないうえ、広い園庭や体育館のような施設がないというデメリットがあります。そういった環境下でも園児たちが十分な保育を受けられるよう、保育サービスの質が高く、企業の業務特性を理解した運営とサポートができる経験豊富な事業者を選定すべきです。

7.利用者を募集する

社内向けの説明会のほか、地域枠を設けるなら地域向けの説明会を開催し、社内託児所の利用者を募集します。社内なら社内報やチラシ、社内のネットシステムなどを利用して募集します。共同利用する企業があるなら、利用者の調整も必要です。

地域枠を開設している場合、チラシや自社のホームページで募集します。託児所周辺にある区民センターや児童館にチラシを置いてもらうように依頼すると、保護者の目に留まりやすいです。その後、すべての利用希望者に向けて、説明会を開催します。

長く運営していくためには、開所後も利用者のニーズと運営上の課題を把握し続け、保育の質の向上に常に努めることが重要です。質の高い保育による保護者の口コミが、新たな利用者を増やすきっかけになります。

8.申請手続き

社内託児所を含むを設置した場合、事業開始日から1ヶ月以内に都道府県知事への届け出が児童福祉法により義務づけられています。届出が必要な書類名は、自治体によって異なります。

事業開始後、届出事項に変更があった場合、施設の廃止・休止の場合には、変更があった日から1ヶ月以内に届出が必要です。

まとめ

社内託児所の開設は企業にとって、女性社員の活躍推進、待機児童解消の効果、社員の定着率向上や企業イメージの向上といった大きなメリットがあります。

認可外保育所として開設すれば、認可保育所よりもゆるやかな基準を満たせば開設できるうえ、柔軟な運営が可能なため、従業員の育児と仕事の両立を実現できます。

スクルドアンドカンパニーの保育園運営、開園後のコンサルでは、社内託児所の開園から運営までフルサポートしています。

企業の業務特性を理解した運営をしながら、認可保育園と変わらないクオリティの教育を実践しているので、ぜひ相談ください。

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