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  • 2021.06.28
  • コラム

病院内に託児所は必要?そのメリットと開設方法を紹介

看護師
近年では、病院に勤務する職員の離職率を下げ、採用時の人材獲得につなぐため、病院内に託児所を設けるケースが増えています。

院内に託児所を作りたいと考えている病院関係者の方もいるのではないでしょうか?しかし、病院内託児所には広さや設備に基準があり、手続きが複雑で設置方法がわかりにくいかもしれません。

この記事では、院内託児所の役割や特徴、一般の保育園との違い、設置プロセスについて紹介します。

病院内託児所の役割

病院内託児所

病院内託児所とは、医師や看護師、事務員など、病院内で働く人が子どもを預ける保育施設です。

院内託児所は事業所内保育施設の一種であり、託児所は病院内または病院に併設されます。夜勤がある病院では、日中の保育のほか夜間保育に対応する場合もありますし、学童保育や病児保育を併設する病院内託児所もあります。

病院内託児所は医療従事者である保護者の勤務状態やニーズをとらえ、柔軟に対応することが重要となるのです。

総務省の「医師等の確保対策に関する行政評価・監視-結果報告書(第4-2 院内保育所の配置状況等」(平成27年1月)」によると、2014年時点で対象となった142の医療施設が112の病院内の託児所を設置しているとされています。さらに、そのうち半数は調査の直近10年以内に新たに設置されたものです。

つまり、病院内に託児所を設置する病院は近年大幅に増えているのです。

病院内託児所の特徴

病院内託児所にはどんな特徴があるのか、一般的な保育園や託児所と比較してみましょう。

開園時間が長い

病院内託児所と一般的な保育園の最も大きな違いは、開園時間の違いです。

病院では常勤の看護師の多くが三交代制または二交代制で働いているため、スタッフが子どもを預ける時間にばらつきがあります。

そのため、病院内託児所の開園している時間が長い傾向にあります。一般的な保育園の開園時間は、7〜17時または7〜18時のところが多いですが、病院内の託児所の中には24時間365日開園しているところもあります。

一般的な保育園と違って病院内託児所では、医療従事者の働き方に合わせた開園時間に対応しているのです。

院内保育の多くが認可外保育所

病院内の託児所の多くは「認可外保育施設」として設置されます。

保育施設には、認可保育所と認可外保育所の2種類あります。認可保育所は、施設の広さ、保育士の数、調理・防災・衛生管理など、国や自治体が設けている認定基準を満たした施設を指します。

一方、認可外保育所は認可保育所よりもゆるやかな設置基準が求められます。その代わり、認可外保育所は自由度が高い保育を行えますし、開園時間の設定はもちろん、延長保育、夜間・休日保育に対応しやすいため、病院内の保育所の多くが認可外保育所を選んで設置しているのです。

認可保育所は様々な補助金交付がありますが、認可外ではほとんどありません。その分、病院にはその分の費用を用意しなくてはなりません。

認可外保育施設の基準や補助金については以下の記事で解説しています。

認可外保育施設の設備・運営の基準とは?補助金についても解説

病院内に託児所を設けるメリット

病院内に託児所を設置する病院が増えているのは、従業員はもちろん、病院側にもメリットがあるからです。病院内託児所を設置するメリットは次の3つです。

1.離職率の低下

病院内託児所を作ることで医療従事者の離職率を下げることができます。

内閣府男女共同参画局による「『第1子出産前後の女性の継続就業率』及び出産・育児と女性の就業状況について」(平成30年11月)によると、第1子出産を機に離職する女性は46.9%にも上り、そのうち10.9%が子どもの預け先を確保できなかったという理由で離職しています。

医療従事者の場合、勤務時間が昼夜を問いません。勤務時間中に子どもを見てくれる人がいない、預けられる保育施設が見つからないという場合、育児を理由に病院を辞なければなりません。

しかし、病院内に託児所があれば、こうした理由で離職せずに済みます。子どもを保育園に入れるための「保活」も必要なく、産休・育休取得後、早期の職場復帰が叶う可能性もあり、育児を理由にした離職を減らせます。

人材確保をしやすくなる

病院内託児所を設置することで、従事者を採用するときに人材確保をしやすくなります。

医療従事者は専門職であり、人材の確保が非常に重要な課題です。他の病院よりもよい待遇、良い環境を用意しなくては人材を採用することが難しくなります。

病院内に託児所を設置し病院全体で育児をサポートすれば、一度離職した人が復帰しやすい環境を作れるだけでなく、新規の採用にも有利に働きます。看護師同士はネットワークがあり、良い評判も多くの看護師に回るので、採用募集を出したときに応募が集まりやすくなるのです。

特に近年では看護師を含む医療従事者の慢性的な人手不足という背景があり、人材確保に向け、さまざまな病院が託児所を設置しています。他の病院に人材が流れないよう、自分の病院でも託児所の設置を検討しましょう。

資格やスキルを持ちながら、育児を理由に仕事から遠ざかっている人を採用することもできるかもしれません。

補助金の利用も可能

病院内託児所は認可外保育所であることが多いですが、病院内託児所を設置する際には、補助金を利用することができます。補助金には2種類あります。

  • 「子ども・子育て支援新制度」における事業所内保育事業(市町村認可事業)に対する給付
  • 病院内保育所に対する都道府県による補助金

「子ども・子育て支援新制度」は、幼児教育・保育支援の体制を整え、保護者と保育士のニーズを満たす環境を作ることを目的とした補助金です。市町村認可事として地域型保育給付の対象となり、利用する子どもの数に応じて市町村から費用が支払われます。設備や職員が児童福祉法に基づく基準を満たしていること、地域枠の設定が必要です。

「病院内託児所に対する都道府県による補助金」は、都道府県の基金事業として実施しています。託児所の運営費の一部として、保育士の人件費、委託料を補助します。

児童福祉法に基づく基準を尊重し、保育料として1人当たり平均月額10,000円以上徴収していることが要件となります。地域枠の設定は問わず、定員の下限もありません。

このように、病院内託児所では補助金を受けることができますが、その対応や申請は難しく感じるかもしれません。スクルドアンドカンパニーでは、病院内の託児所の補助金申請のサポートを行っています。申請から運営まで専門知識と豊富な経験を持つスタッフが対応しますので、ぜひご相談ください。

スクルドアンドカンパニーの問い合わせ先
電話番号:03-6273-2760
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病院内託児所を開設する方法

病院内託児所の看護師

病院内託児所を新規設立するには、どのような手順を踏めばよいのでしょうか。ここでは、病院内託児所の設立の流れを紹介します。

1.院内での設置検討

病院内託児所の設置目的を確認すると同時に、看護師や医師などのニーズを把握し、病院内の託児所の全体像を明確にします。

ニーズの把握には、利用の対象となる子どもがいる従業員にアンケートを取るのがおすすめです。利用希望の有無、対象児童の年齢、希望する開所時間、保育料について回答してもらいます。

同様に、育児経験者にアンケートを実施するのもよいでしょう。自身が子育てをしたときに託児所で受けたいサービス、あってよかったサポート、病院内託児所への要望について情報収集すると、経験に基づいた情報を収集できます。

2.運営方式を検討する

病院内託児所の運営方式には、病院が自ら運営する方式と、外部の保育事業者に委託する方式の2つがあります。

本業ではない託児所を病院が新たに始めるには、多くの課題がありますし、わからないことも多いでしょう。社会福祉法人や学校法人、福祉部門がある企業では事業のノウハウを活かして自社運営しやすく、実際に自ら運営している法人が多くありますが、それらがない病院では難しいでしょう。

準備や調査にかかる時間も踏まえてコストの計算をし、外部に委託するかも検討しましょう。

質の高い保育やサービスを提供するには、託児所の園長や保育士の経験やスキルにもよるため、運営の中心人物の確保と並行して検討すべきです。さらに、設置方法の検討時には、地域枠を作るかどうかも検討します。地域枠とは、従業員の子どもを除く地域の子どもたちのための枠であり、従業員以外の地域の人びとに保育を提供できます。

3.自治体との調整

病院内託児所の設置にあたり、遵守すべき法律や基準、手続き、地域枠などについて、自治体の担当部署へ確認し調整します。自治体によって担当部署が異なるため、役所への確認が必要です。

設置に関連する法律には、建築基準法、消防法、食品衛生法などのほか、各自治体が制定する条例があります。

また、既存の建物に新たに設置する際、建物の用途変更手続きが必要な場合があります。用途変更の確認申請には、確認申請書一式、建築計画概要書、検査済み証、確認済み証が必要です。既存不適格建築物報告書の写しや委任状が必要な場合もありますので注意しましょう。

確認申請受領後、設備の設置に着工し、完了後に完了届を提出します。どの書類も、提出先は各自治体の建築主事です。

4.設置場所の確保

病院内託児所として活用可能なスペースや建物の状況を踏まえて、設置場所を検討します。

利用者である医療従事者は通勤に子どもを伴うため、設置場所には配慮が必要です。病院内のほか、駅前、従業員の居住地域などを元に検討します。院外の場合は、監視カメラやICカードリーダーなどを設置しセキュリティ面にも配慮しましょう。

1人あたりの必要面積や建物の構造、必要な設備の確認も同時にすべきです。設置基準は認可外保育所と同じ設置基準であり、以下となります。

定員20名以上の場合

  • 乳児室:子供1人あたり1.65㎡
  • ほふく室:子供1人あたり3.3㎡以上
  • 保育室:2歳以上児1人あたり1.98㎡以上

    定員19名以下の場合

  • 乳児室またはほふく室:子供1人あたり3.3㎡以上
  • 保育室:2歳以上児1人あたり1.98㎡以上

託児所を建物の2階以上に設ける場合は、転倒事故を防止する設備設置など児童福祉施設の最低基準の要件に適合することが条件となります。

2階以上への設置は、建物の造りが耐火建築物か準耐火建築物になっていること、4階以上では特別避難階段や屋外避難階段がないと設置が難しいので注意が必要です。

安静室があれば病児保育が可能に

病院内の託児所に安静室を設け看護師を配置すれば、体調不良児を預かることができます。

安静室には、体調不良の乳幼児が2人以上横になれるよう1人あたり1.98㎡以上の面積があることと、寝具と救急医療品を備えていることが求められます。

病院内の託児所なら、こうした環境がすぐに整えられる状態にあるため、容易に設置できます。病院託児所を開設するなら、安静室の設置にも積極的に取り組むべきです。

5.設備や人材の準備を進める

託児所の整備、保育士や保育スタッフの人材の確保、運営を外部委託する場合には事業者を選定します。

預かる予定の人数に合わせて託児所のレイアウトを考えます。おもちゃをしまう場所、ロッカーの位置、遊具の配置を決め、利用者の負担額や運営の見通しについて検討します。託児所や保育所に必要な設備は以下の記事にまとめているので参考にしてください。

保育園の開設に必要な備品とは?備品選びのポイント、注意点を紹介

保育士や保育スタッフの人数は、園児の年齢によって異なります。

  • 0歳児:3人につき1人
  • 1〜2歳児:6人につき1人
  • 3歳児:20人につき1人
  • 4〜5歳児:30人につき1人

ギリギリの人数での運営は、1人病欠が出ただけで託児所の運営ができなくなります。託児所の規模に合った人員を、余裕を持って確保する必要があります。

保育士や保育スタッフの人数は、常勤職員(1日6時間以上で月20日以上または月120時間以上勤務する職員)から算定します。常勤職員の代わりにアルバイトやパートの短時間勤務職員を充てる場合、総勤務時間数を常勤職員に換算します。

病院内託児所は、認可保育園に比べ預かる子どもの人数が少なく、体育館や広い園庭のような施設がないというデメリットがあります。そうした環境の中でも、園児たちが十分な保育を受けられるよう高い保育サービスを提供し、病院の勤務体系や特性を理解した運営とサポートができる経験豊富な事業者を選ぶべきです。

6.利用者を募集する

院内向けの説明会を開催し、託児所のサービス概要、保育施設の利用者を募集します。チラシや院内のシステム、掲示物などを利用して募集します。

病院内託児所を継続して運営していくためには、数年先までの園児の増減を想定することがポイントです。場合によっては近隣地域からの受け入れも検討すべきです。地域枠を設けるなら地域向けの説明会も開催します。

地域枠を開設する場合、病院のホームページやチラシを使って募集します。小児科の受付のほか、周辺にある区民センターや児童館にチラシを置いてもらうよう依頼すると、保護者の目に留まりやすいです。

無事に開設が済んだあとも、利用者のニーズと運営上の課題を継続的に把握し、保育の質の向上に努めることが大切です。保護者によるポジティブな口コミが、新たな利用者を増やすきっかけになります。

まとめ

病院内に託児所を設置すると、従業員の育児と仕事の両立を実現でき、新たな雇用の創出や定着率向上、病院のイメージ向上といった大きなメリットがあります。

認可外保育所として病院内託児所を開設すれば、柔軟な運営ができるため、昼夜問わず働く従業員の仕事と育児の両立が叶います。

スクルドアンドカンパニーの託児所運営、開園後のコンサルでは、病院内託児所の開園から運営までフルサポートしています。日々の保育の中に幼児英語プログラムやリトミック、モンテッソーリ教育を取り入れ、多彩で質の高い幼児教育プログラムを提供するという工夫も行っています。

病院の業務を理解した運営をしながら、認可保育所と変わらないクオリティの教育を実践しているので、ぜひご相談ください。

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