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  • 2021.07.26
  • コラム

院内託児所の設置基準を解説。設備や広さ、職員の基準も

看護師
院内託児所は、病院で働く人のために設置される託児所であり、事業所内保育施設の1つです。最近では、病院に勤務する職員の離職率を下げたり、採用時の人材獲得に繫げるため、院内託児所を開設するケースが増えています。

とはいえ、院内託児所の開設には職員の人数や保有資格、設備の基準を満たすことが必要なうえ、手続きが多くわかりにくい面があります。

この記事では、院内託児所を開設したい担当者に向けて、院内託児所を設置する際の設置基準について説明します。

院内託児所の特徴

院内託児所は、医師や看護師など、病院で働く人が子どもを預ける保育施設です。医療従事者は昼夜問わず仕事をしているため、夜間まで開園しているケースが多数あります。院内託児所の特徴は以下です。

院内託児所は開園時間が長い

院内託児所は開園時間が長いのが大きな特徴です。

常勤看護師の多くが三交代制または二交代制で働いています。そうした働き方を支えるため、開園時間が長いのです。24時間365日開園している院内託児所もあります。

一般的な保育園の開園時間は7~18時または19時です。延長保育が可能な時間は園によって異なりますが、通常の保育園では医療従事者の働き方に合わせた保育サービスは難しいことがわかります。

院内託児所の中には、学童保育や病児保育の機能を併せ持つところもあります。3歳以上になると日中は地域の幼稚園に通園し、二次保育として夜間だけ院内保育所を利用する家庭もありあす。

このように、医療従事者として働く保護者のニーズをとらえ、柔軟に対応することが重要です。

院内保育の多くが認可外保育所

院内託児所の多くが認可外保育施設です。保育施設には、認可保育所と認可外保育所の2種類あります。

認可保育所は、保育士の数、施設の面積、調理・防災・衛生管理など、国や自治体が設けている基準を満たした保育施設です。一方の認可外保育所は、認可保育所よりも設置基準がゆるやかです。認可外保育所には認可保育所のような補助金交付はありません。

その分、認可外保育所は自由度が高い保育ができます。保護者の働き方に合わせて、開園時間や延長保育、夜間・休日保育を決められるため、多くの院内託児所が認可外保育所を選んで設置しています。

院内託児所の設置基準

保育園のなか

認可外保育所は認可保育所に比べてゆるいとはいえ、設置基準があります。ここでは、認可外保育所として開設する院内託児所に求められる設置基準について、説明します。

参照:『院内保育等の推進について

職員の人数

院内託児所に配置する職員の人数の基準は、保育を必要とする園児の人数を元に算出します。

  • 乳児:約3人に対して1人
  • 満1才~満3才未満:約6人に対して1人
  • 満3才~満4才未満:約20人に対して1人
  • 満4才以上~:約30人に対して1人

保育される児童が1人の場合を除き、常時2人以上の配置が必要です。

職員の資格

配置する職員の1/3以上が、保育士または看護師、准看護師の資格を持っていることが必要です。

それ以外の職員は、保育士や看護師、准看護師の資格を持っていなくても問題ありません。病院だからこそ、看護師や准看護師を集めるのが比較的楽な可能性があります。

施設の基準

園児の年齢や利用定員に応じて、施設に必要な広さの基準が設けられています。認可外保育施設の場合は、保育室として1.65㎡/人を確保しなくてはなりません。0歳児は他年齢の幼児の保育室と別区画にする必要があります。そして、採光と換気の確保は必須です。

また、給食は自園調理をするための調理室を設置が必要です。病院であれば調理場があることが多いので、そういった施設を利用するのもよいでしょう。給食のメニュー自体は外部からの搬入が可能ですが、決められた要件を満たす必要があります。

0歳児の保育スペースが必要

0歳児を保育する場所は、幼児(満1歳~就学前)とは別の部屋であることが望ましいとされています。部屋を別にできない場合は、区画を設ける等、安全性を確保する必要があります。

さらに、乳幼児用ベッドを使用する際には、1つのベッドに2人以上の乳幼児を寝かせてはならないという基準が設けられています。

トイレの設備基準

園児20人に対し1カ所以上のトイレを配置し、専用の手洗い設備の設置が必須です。

トイレはほかの部屋と区画を分け、安全に使用できるよう衛生面に配慮しなくてはなりません。

非常災害対策の基準

消火用具、非常口など非常災害に必要な設備を設置し、具体的な非常災害対策計画を作成しなくてはなりません。

非常口は、災害時に2方向から避難ができるように設けます。開設後は、避難消火などの訓練を少なくとも毎月1回は実施することが求められます。

2階以上のテナントを利用する場合

託児所は原則として1階に設けるよ基準が定められていますが、防災上必要な措置を講じれば2階以上のテナントにも設置できます。

2階に託児所を設置する場合

やむをえず2階に院内託児所を設ける場合には、保育室を含む乳幼児が出入りや通行する場所に、転落事故を防止する設備を設けることが必須です。建物の造りが耐火建築物か準耐火建築物になっていることも求められます。

また、常用の屋内・屋外階段のほか、避難用の屋外階段や傾斜路等をそれぞれ1つずつ設置することが必要です。特別避難階段に準じた屋内避難階段または特別避難階段、待避上有効なバルコニーの設置も必須です。

2階以上に託児所を設置する場合

院内託児所を3階以上に開設する場合は、同じように建物の作りが耐火建築物であること、保育室を含む乳幼児が出入りや通行する場所に転落を防止する設備を設置しなくてはなりません。

設置階が3階の場合、日常的に使う屋内階段または特別避難階段、屋外階段のほか、避難用に屋外階段や傾斜路など特別避難階段に準じた屋内避難階段または特別避難階段の設置基準があります。

避難用の階段や傾斜路が避難に有効な位置にあり、保育室等の各部屋から階段等までの歩行距離が30m以下になることが必須です。

安静室があれば病児保育が可能

院内託児所内に安静室を設けて看護師を配置すれば、体調不良の園児を預かれます。園児が2人以上横になれるよう1人あたり1.98㎡以上の面積を確保し、寝具と救急医療品を備えます。

院内託児所なら、こうした環境が比較的容易に整えられると思います。院内託児所を開設するなら、安静室の設置にも積極的に取り組むべきです。

参照:『認可外保育施設に対する指導監督の実施について』『保育所における屋外階段設置要件について

遵守すべき法令

病院内託児所の開設にあたり、遵守すべき法律や基準、地域枠などについて、自治体の担当部署へ確認する必要があります。地方自治体が定める認可外保育所の設置基準、食品衛生法などもあるので、必要な手続きと併せて確認しましょう。

院内託児所を既存の建物に新たに設置する場合、建物の用途変更手続きが必要な場合があります。用途変更の確認申請には、確認申請書一式、建築計画概要書、検査済み証、確認済み証が必要です。確認申請受領後に設備の設置に着工します。工事の完了後、完了届を提出します。

院内託児所は補助金を利用できる場合も

院内託児所を開設する際、職員数や面積、設備等の基準を満たせば、補助金を利用することもでき、運営費や人件費の一部、保育料の補助を受けられます。利用できる補助金は次の2つです。

      子ども・子育て支援新制度における事業所内保育事業(市町村認可事業)に対する給付
      病院内保育所に対する都道府県による補助金

1は市区町村保育担当部署、2.は都道府県看護(医療)担当部署にて手続きをします。

子ども・子育て支援新制度の事業所内保育事業の開設基準は次の通りです。

■定員20名以上の場合

  • 職員:職員数は認可外保育施設と同じだが保育士資格を持っている必要があります(保健師、看護師または准看護師のみなし特例あり)
  • 面積:1歳以下…乳児室(1.65㎡/人)、ほふく室(3.3㎡/人)
    2歳以上…保育室または遊戯室(1.98㎡/人)、屋外遊技場(3.3㎡/人)
    ※給食は自園調理。調理室の設置と調理員の配置が必要

■定員20名未満の場合

  • 職員:保育所の配置基準+1名以上(最低2人配置)で半数以上が保育士の有資格者。保健師、看護師または准看護師のみなし特例あり。保育士以外の職員には研修実施
  • 面積:1歳以下…乳児室またはほふく室(3.3㎡/人)
    2歳以上…保育室または遊戯室(1.98㎡/人)、屋外遊技場(3.3㎡/人)
    ※給食は自園調理(連携施設等からの搬入可)。調理設備の設置と調理員の配置が必要

参照:『院内保育等の推進について

それぞれの補助金を利用するには、児童利用の定員、託児料金、実施主体等について要件を満たさねばなりません。詳しい要件などは担当部署へ確認します。

スクルドアンドカンパニーは、補助金申請のバックアップもしています。申請から運営まで専門知識と豊富な経験を持つスタッフが対応しますので、ぜひご相談ください。

スクルドアンドカンパニーの問い合わせ先
電話番号:03-6273-2760
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院内託児所の運営方法

保育士委託

院内託児所の運営方式には、病院が自ら運営する方法と外部の保育事業者に委託する方法があります。

本業ではない保育サービスを新たに始めるにはノウハウが必要です。社会福祉法人や学校法人、福祉部門がある病院では、事業のノウハウを活かして自社運営しやすいです。

こういったノウハウがない場合には、外部の保育業者に依頼するのがよいかもしれません。外部の保育事業者に委託すれば、院内託児所の運営のノウハウを活かしてトータルにサポートしてもらえます。

また、質の高い保育やサービスを提供するには、託児所の園長や保育士も重要です。運営方法を選択する際には、運営の中心人物の選定のノウハウがあるかも考慮にいれましょう。

まとめ

柔軟な運営ができる院内託児所を開設すれば、医療従事者として昼夜問わず働く従業員の仕事と育児の両立をサポートできます。新たな雇用の創出や定着率向上、病院のイメージ向上など、病院側にもメリットもあります。ぜひ検討しましょう。

そして、院内託児所を作るときには設置基準をよく確認して、必ず基準をクリアするようにしましょう。

スクルドアンドカンパニーの保育園運営、開園後のコンサルでは、院内託児所の開園から運営までフルサポート。難しい設置基準も解説しますし、基準を満たす方法や確認方法まで説明します。

病院の業務を理解したうえで院内託児所を運営をしながら、認可保育所と変わらないクオリティの教育を実践しているので、ぜひご相談ください。

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