お問い合わせ

コラム column

  • 2021.10.22
  • コラム

事業所内保育とは?事業所内に保育所を設置、運営するのに必要な知識まとめ

事業所内保育の子供

事業所内保育事業とは、企業が主体となって保育を提供する事業のことです。企業が事業所内に保育所を設置すると、従業員は産休や育休を取得しやすくなるため、計画的に人員の確保や配置ができるようになります。

事業所内保育所を設置することには、様々なメリットがありますので、多くの企業で導入されています。しかし、いざ企業が事業所内に保育所を作ろうと考えても、どのような基準があるのか、どのような流れで設置すればいいのかわからないと思います。

そこで、この記事では事業所内保育事業の概要を説明するとともに、保育所を設置するのに必要な知識と手続きの流れについて解説します。

事業所内保育事業とは?

ここでは、事業所内保育事業の概要について解説します。

事業の概要と成り立ち

事業所内保育事業は、事業所内に保育施設を設置し、企業が主体となって運営する保育施設のことです。複数の企業が共同で設置・運営する「共同事業主型」の保育施設も事業所内保育事業の対象です。

以前は企業が設置する保育所はすべて認可外保育施設でした。しかし、待機児童の解決や女性の社会進出を後押しするため、国は2015年に「子ども・子育て支援新制度」を施行しました。それにより、事業所内保育事業は「地域型保育事業」に組み込まれ、市町村の認可事業に分類されることになりました。

「地域型保育事業」は市町村による認可事業であり、一定の基準をクリアした保育園を開設・運営するため、補助金の受給対象となります。事業所内保育事業においては、地域の保育ニーズに応えるため、従業員の子どもだけではなく地域の子どもの受け入れ(地域枠)も実施する必要があります。

また、事業所内保育事業は利用定員により「保育所型事業所内保育(=保育型)」と「小規模型事業所内保育(=小規模型)」に分けられ、それぞれに基準が設けられています。

「保育所型事業所内保育」と「小規模型事業所内保育」の違い

保育型事業所内保育と、小規模型事業所内保育の主な違いは以下の通りです。

保育所型事業所内保育は、定員20人以上の施設で、保育従事者の資格や配置数、設備基準は認可保育所と同じです。

小規模型事業所内保育は、利用定員19人以下の施設で、保育従事者の資格や配置数、設備基準は小規模保育A型、B型の基準と同じです。

つまり、保育所型事業所内保育は規模が大きく、小規模型事業所内は規模が小さいという分け方です。

事業所内保育所の基準

事業所内保育の風景

次に、事業所内保育所を設置、運営する際の設置基準について解説します。設置をするときには、この基準に従うようにしてください。

職員の配置基準

職員の人数と資格者の配置基準は以下の通りです。

種別 利用定員 職員数 職員資格 子どもの年齢 子どもの人数 保育士の数
保育型 20人以上 国が定めた配置基準と同じ
※常時2人以上保育士を配置することが原則
保育士 0歳児 3人 1人
1・2歳児 6人 1人
小規模型 A型 19人以下 保育所の配置基準+1人 保育士
1・2歳児 6人 1人
B型 保育所の配置基準+1人
※保健師、看護師・准看護師を保育士とみなす特例あり
1/2以上が保育士 0歳児 3人 1人
1・2歳児 6人 1人

施設と設備

保育施設を設置する場所は、継続利用が見込める場所で、次のいずれかに設置されている必要があります。

  1. 事業所の敷地内
  2. 事業所の近接地
  3. 従業員の通勤経路(駅ビル、駅に近接するビル、通勤に便利な場所など)
  4. 従業員の居住地の近接地(社宅、団地など)

出典:厚生労働省「事業所内保育施設設置・運営等支援助成金のご案内」

施設の面積と設備の配置基準は以下の通りです。

必要な施設・設備 概要 子どもに対する面積・設置数
乳児室 満2歳未満の子を保育する部屋。他のスペースと明確に区画。 1.65 ㎡以上/1人
保育室 満2歳以上の子どもを保育する部屋。 1.98 ㎡以上/1人
便所 手洗設備も必要で、他のスペースと明確に区画。 子ども20人に対し1つ
調理室 調理設備が必要で、条件により外部搬入も可能。 定員分の給食を供給するために必要な広さ

また、緊急時に備えるため、医療機関の協力体制が確保されている必要があります。

施設利用者の基準

事業所内保育事業は、従業員枠のほかに地域枠の設定が義務付けられています。地域枠の定員は、国が定める基準を目安にして市町村が設定します。

例えば、「定員16~20人の施設であれば5名まで」というように、保育施設の定員により地域枠の定員人数が上下しますので、市町村に確認をとるようにしましょう。

事業主の基準

事業所内保育所を開設する事業主の基準は、以下の通りです。自社がこの基準に当てはまるかを確認しましょう。

  1. 雇用保険適用事業所の事業主、または事業主団体である。
  2. 助成金の審査に必要な書類などを整備、保管している。
  3. 都道府県労働局長が審査に必要と認める書類などを求めに応じて提出または提示すること、労働局の実地調査に協力することなど、審査に協力する。
  4. 育児・介護休業法に規定する育児休業及び所定労働時間の短縮措置について、労働協約または就業規則に定め、実施している。
  5. 次世代育成支援対策推進法第12条に基づく一般事業主行動計画の、策定・届出、公表および従業員への周知を行っている。

参考URL::厚生労働省「事業所内保育施設設置・運営等支援助成金のご案内」

これらに当てはまるかどうか、必要な書類は何かなどは自社だけでは判断が難しいかもしれません。そんなときには保育専門の会社に確認を取りましょう。

スクルドアンドカンパニーは、事業所内保育事業の開設サポート、委託運営実績が豊富です。こういった基準の確認などにもノウハウがありますので、お気軽にお問い合わせください。

スクルドアンドカンパニーの問い合わせ先
電話番号:03-6273-2760
メールフォームはこちら

事業所内保育所の補助金・助成金

事業所内保育の子供

事業所内保育事業は、保育する子どもの年齢や人数に応じて支給される補助金のほか、保育所等整備交付金、家賃補助、開設準備経費の補助などを受け取れます。補助額の条件は各自治体により異なります。

以下は、国が定めている運営費と整備費の補助金概要です。

運営費の補助金

事業所内保育事業(認可保育施設)の補助金は、子ども1人あたりに支給されます。2歳児よりも、手のかかる0歳児の方が高額です。

運営費補助金の計算式は「補助額=公的価格-保育料」です。公的価格(基本分単価+各種加算額)は運営費の額を考慮して国が決定した金額で、補助金は運営する保育施設の待遇やサービス内容で上下するので、自治体などに確認をしましょう。

参考URL:内閣府「公的価格に関するFQA(よくある質問)」

整備費の補助金

事業所内保育事業で設置した保育所が国の基準をクリアすると、保育所等整備交付金や保育対策総合支援事業費補助金から整備費が補助されます。

対象工事は、土地所有者に対する建設整備・賃貸改修・増築です。施設建設または増築にかかる補助金の計算式は、「補助額=本体工事費+設計料加算+開設準備加算+土地借料加算」であり、1施設当たりの単価、整備定員の単価は毎年異なります。

参考URL:大阪市「認可保育所等の整備にかかる補助金(令和2年度)」

企業が事業所内保育施設を開設する流れ

企業が事業所内保育施設を開設する際の流れを紹介します。

ちなみに、企業内保育所(認可外保育施設)を開設する流れは以下のページで紹介しています。

企業内保育所を立ち上げるには?開設までの流れと設置要件

1.設置場所を検討する

事業所内保育施設を開設するには、安全性や広さの問題をクリアするため、児童福祉施設最低基準を満たす必要があります。

設置場所は、入居ビル内の別テナント、駅近物件の1室、自社ビルの1階、事業所敷地内に新設するなどパターンはさまざまです。自社の建物で利用できるスペースはないか、利用できそうな物件はないかを不動産会社で調べるなど、設置場所として最適な場所を探しましょう。、

2.自主運営と委託運営を選択

事業所内保育事業は、自主運営と委託運営を選択します。自社で運営するのか、外部の会社に運営を委託するかを決定します。企業が保育園を開設、運営していくには、保育士採用や教育カリキュラムのノウハウが必要です。外部の会社に委託するのもよいでしょう。

運営を委託することで、認可までの手続きや開設作業、保育士確保、運営などの負担を軽減できます。委託費用はかかりますが、結果的にコストをコントロールできるというメリットがあります。

3.設計・施工に取り掛かる

物件と運営方式が決まったら、保育施設の設計、施工に取り掛かります。

事業開始時期に間に合わせられるように、設計や施工の業者を選定しましょう。園内の設備や備品の用意や、自治体との交渉、保育士の採用も同時進行していきます。

保育園を開設するときに準備したほうがよい備品は、以下でまとめているので参考にしてください。

保育園の開設に必要な備品とは?備品選びのポイント、注意点を紹介

4.自治体の募集に応募する

自治体は地域に保育所を増やすため、運営費や設備費に加え、保育所の整備や防犯にかかる費用などを上乗せして補助金交付対象事業者を選定します。

事業所のある自治体のホームページをチェックし、事業所内保育事業の募集内容を確認しましょう。名称は「認可保育所を設置及び運営する事業者の募集」や「地域型保育事業所(事業所内保育)の設置・運営者募集」など、自治体によって異なります。

申し込みは1事業者につき1件など定められており、期日までに必要書類を提出しなければなりません。必要書類の作成は難しいかもしれないので、作成できない場合には専門の会社に依頼しましょう。書類の種類や枚数も多いので注意が必要です。不備や問題点が見つかれば審査は通過できません。

5.書類の準備と審査対応

ここでは、「千葉市事業所内保育事業整備・定員増事業者募集要項(令和3年度整備)」を参考に、事業者が選定されるまでの流れを解説します。詳細は各自治体により異なるのでご注意ください。

申請書類を提出してから、事業者が選定されるまで約半年となります。

応募スケジュール 概要
1.必要書類 千葉市事業所内保育事業整備事業申請書(様式第1号)
申請に係る施設等の概要調書(様式第2号) ほか計33種類。
2.書類受取場所、受付場所 千葉市こども未来局こども未来部幼保支援課
3.事前相談受付 随時可。
ただし、物件、図面、予定定員については令和3年7月20日(火)までで、相談後の変更は認められない。
申請書類(作成済のもの)は令和3年8月3日(火)まで。
申請までの平均相談回数は3~5回程度。軽微な相談は電話やメールにて受付可。
4.受付期間 令和3年8月4日(水)から8月6日(金)まで
5.自治体によるヒアリング 令和3年8月下旬から9月下旬予定
6.審査結果通知 令和3年9月中旬予定
7.補助金交付申請 令和3年9月以降(結果通知後、速やかに)
8.施設整備 補助金交付決定後から令和4年3月上旬まで
9.市の完了検査 令和4年3月10日までに実施(厳守)
10.認可手続き 令和4年3月下旬予定
11.事業開始時期 原則として令和4年4月1日

まとめ

事業所内保育事業は、保育ニーズの高い0~2歳の低年齢児が対象となります。企業に保育所があれば、女性従業員の就業を後押しし、妊娠や出産による離職率を下げることもできます。従業員の満足度や定着率も向上するでしょう。

ただ、事業所内保育所を作ろうと思っても、自社にノウハウがないと事業所内保育施設を開設、運営するのは大変です。

スクルドアンドカンパニーは日本全国で直営認可保育所を40園以上運営しています。培ってきた経験と実績を活かし、保育所経営をサポートします。お気軽にご相談ください。

スクルドアンドカンパニーの問い合わせ先
電話番号:03-6273-2760
メールフォームはこちら