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  • 2021.10.29
  • コラム

保育所の補助金は?開設や運営の補助金について解説

市役所

保育所の設立や運営に対しては、補助金を受けることが可能です。

国や地方自治体は保育をより充実させるために補助金を支給しており、いずれも返済の義務はありません。補助金は、保育所の新設や運営にあたり重要な資金源となるので、必ず確認しておきましょう。

この記事では、認可保育所や認可外保育所の設立や運営に支給される補助金について解説します。

保育所の補助金とは?

保育所の設立や運営に対して補助金の支給があります。これを利用することで、より負担少なく保育所を運営できます。

補助金の種類や内容は認可保育所と認可外保育所で異なります。ここでは、認可保育所と認可外保育所のそれぞれに支給される補助金について説明します。

認可保育所とは、自治体に認可された保育施設です。国が定める設置基準を満たす保育施設のうち、都道府県知事の認可を得る必要があります。

認可保育所の開設はハードルが高いですが、国や自治体から補助金が出るというメリットがあります。認可保育所には次の5つがあります。

  • 認可保育所
  • 小規模保育事業
  • 家庭的保育事業
  • 事業所内保育事業
  • 居宅訪問型保育事業

認可外保育所とは、自治体からの認可を受けていない保育施設です。開設にあたり基準はありますが、認可保育所に比べるとゆるやかです。認可外保育所では補助金の給付はほとんどありませんが、自治体によっては補助金の支給があります。

認可外保育所には次の5つがあります。

  • 企業主導型保育所
  • 事業所内保育施設
  • 企業主導型保育所
  • 院内保育所
  • ベビーホテル

認可保育所への補助金

補助金

認可保育所を設立・運営するにあたり、設立準備や施設整備のための補助金が交付されます。ここでは、設立費用への補助金と運営費への補助金と、ICTシステム導入への補助金について解説します。

保育所等整備交付金

市区町村が策定する整備計画に基づき、保育所、認定こども園、小規模保育事業所の施設整備事業、保育所の防音壁設置にかかる経費にあてるため、市区町村が交付金を交付しています。

保育所等整備交付金の実施主体は市区町村で、対象事業は次の通りです。

  • 保育所整備事業
  • 認定こども園整備事業(幼稚園型)
  • 小規模保育整備事業

設置主体は、社会福祉法人・日本赤十字社・公益社団法人・公益財団法人・学校法人でなくてはなりません(保育所および認定こども園については公立を除く)。補助割合は、国1/2、市区町村1/4です。設置主体が1/4を負担します。

保育所等改修費等支援事業

賃貸物件に設置された認可外保育施設が、認可保育所を目指して改修する場合の補助金です。認可に必要な設備運営基準を満たすために必要な改修費の一部を補助します。認可保育所の待機児童解消など、地域のニーズに応じた受け皿を整備することを目的としています。

実施主体は市区町村です。対象事業は次の通りです。

  1. 賃貸物件による保育所改修費等支援事業
  2. 小規模保育改修費等支援事業
  3. 幼稚園における長時間預かり保育改修費等支援事業
  4. 認可化移行改修費等支援事業
  5. 家庭的保育改修等支援事業

賃貸物件における保育所改修費等支援事業のうち、新設または定員拡大の場合、1施設あたりの補助基準額は以下の通りです。

  • 利用定員19名以下の場合:1,500万円利用
  • 定員20名以上59名以下の場合:2,700万円利用
  • 定員60名以上の場合:5,500万円

賃貸物件における保育所改修費等支援事業のうち、老朽化対応の場合は、1施設あたりの補助基準額は1施設当たり2,700万円です。

さらに、幼稚園における長時間預かり保育改修費等支援事業は、1施設当たり2,200万円、認可化移行改修費等支援事業では1施設当たり3,200万円です。補助割合は、国1/2、市区町村1/4です。設置主体が1/4負担します。

賃貸物件における保育所改修費等支援事業では、緊急対策参加自治体、待機児童対策協議会に参加するなど、一定の要件を満たす自治体では補助額が変わりますので、確認が必要です。

保育士等キャリアアップ研修事業

「保育士等キャリアアップ研修事業」では、保育所のリーダー的職員の専門性の向上のためのキャリアアップ研修に対しての補助金です。都道府県が行う研修または都道府県が指定した研修を実施するために必要な費用の一部を補助します。実施主体は都道府県です。

補助基準額は研修の実施に必要な費用で、補助割合は国1/2、都道府県1/2です。

保育の質の向上のための研修事業

保育所の職員を対象に、保育の専門性向上を図るための研修を実施する際、必要な費用の一部を補助します。実施主体は都道府県、市区町村です。

補助基準額は研修の実施に必要な費用です。補助割合は国1/2、都道府県・市区町村1/2です。

新規卒業者の確保、就業継続支援事業

保育士の専門性向上と質の高い人材を安定的に確保する観点から、「新規卒業者の確保」や「就業継続支援」に関する研修を実施する際にかかる費用の一部を補助します。実施主体は都道府県と市区町村です。

補助基準額は研修の実施に必要な費用です。補助割合は国1/2、都道府県・市区町村1/2です。

多様な保育研修事業

家庭的保育事業、居宅訪問型保育事業、延長保育事業(訪問型)、一時預かり事業(居宅訪問型)または病児保育事業に従事する者が、必要な知識の習得や資質確保に必要な研修の実施にかかる費用の一部を補助します。実施主体は都道府県、市区町村です。

補助基準額は研修の実施に必要な費用です。補助割合は、国1/2、都道府県・市区町村1/2です。

医療的ケア児保育支援モデル事業

モデル事業として実施している医療的ケア児保育支援モデル事業を一般事業化する場合や、喀痰吸引等研修を受講した保育士が「医療的ケア児保育支援者」として管内保育所の巡回支援を行う場合、処遇改善を実施するための費用を補助します。実施主体は都道府県、市区町村です。

補助基準額は次の通りです。

基本分単価

看護師等の配置:1施設当たり532万円

加算分単価

研修の受講支援 1施設当たり30万円
補助者の配置 1施設当たり21万6千円
医療的ケア保育支援者の配置 1市区町村当たり216万円(喀痰吸引等研修を受講した保育士が担う場合13万円を加算)
ガイドラインの策定 1市区町村当たり36万円
検討会の設置 1市区町村当たり56万円

補助割合は国1/2、都道府県・指定都市・中核市1/2、または国1/2、都道府県1/4、市区町村1/4です。

広域的保育所等利用事業

こども送迎センタ-等の事業を実施する委託事業者が、損害保険等に加入した際の保険料を支援します。地域の実情に応じて保育需要のマッチングを行うため、送迎センターの数に関わらず、送迎バスの台数や保育士の配置に応じて加算できます。

また、本広域的保育所等利用事業をより有効に活用できるよう、保育所への巡回以外の時間帯に一時預かり事業等への巡回を可能としています。実施主体は市区町村です。補助基準額は次の通りです。

保育士雇上費 50万円(加配数に応じて50万円を加算)
運転手雇上費 50万円(加配数に応じて50万円を加算)
事業費(損害賠償保険含む) 1,020.2万円(自宅送迎の場合1,119万円)
バス購入費 150万円(バス台数に応じて50万円を加算)
バス借上費 750万円(バス台数に応じて50万円を加算)
改修費 727万円

補助割合は、国1/2、都道府県・市区町村1/2です。

家庭支援推進保育事業

特別な配慮が必要な児童のうち外国人子育て家庭の児童が占める割合が特に高い保育所などに、加配保育士2名分の補助基準額を適用するよう拡充しています。実施主体は市区町村です。

補助基準額は、1か所当たり386.7万円ですが、外国人子育て家庭の児童が占める割合が20%以上と特に高い場合、1か所当たり773.4万円支給されます。補助割合は、国1/2、都道府県と市区町村1/2です。

保育利用支援事業(入園予約制)

保育所の入園のために育児休業期間を切り上げている保護者がいる現状から、育児休業終了後の入園予約の仕組みを設けようと次の2つの支援を行っています。

  1. 代替保育利用支援
  2. 予約制導入に係る体制整備

この事業は、職場復帰に向けた保護者の不安を解消することを目的としています。

1.代替保育利用支援

育児休業終了後から保育所に入園する翌4月までの間に利用した一時預かり事業などの代替事業の利用料を支援します。補助基準額は、子ども1人当たり 月額2万円です。補助割合は、国1/2、都道府県と市区町村1/2です。

2.予約制導入に係る体制整備

入園予約制を導入した保育所に対し、子どもが入園するまでの間、保護者への相談対応や自治体との連絡調整等を行う職員の配置に必要な費用を支援します。補助基準額は、施設1か所当たり年額240万6千円です。補助割合は、国1/2、都道府県と市区町村1/2です。

3歳児受入れ等連携支援事業

家庭的保育事業等を利用する子どもが3歳に達した時、保育所への円滑な接続を図るための事業です。保育所において、満3歳以上の子どもの受入れを重点的に行い、家庭的保育事業者等と積極的に接続を行った保育所を支援します。

家庭的保育者が保育に専念できる環境を整備することにより、家庭的保育事業への参入を促し、家庭的保育事業の普及と質の向上を図ります。実施主体は市区町村です。支援の内容は次の2つです。

  1. 「連携支援コーディネーター」の配置や事務諸経費等に必要な費用の支援
  2. 「コンソーシアムコーディネーター」を配置するため に必要な費用の支援

1.「連携支援コーディネーター」の配置や事務諸経費等に必要な費用の支援

小規模保育事業との連携を積極的に行う公立保育所を含む保育所に対し、小規模保育事業への相談・助言や、受入れ保育所において利用乳幼児に集団保育を体験させるために実施する行事の参加等を行う場合の調整を担う連携支援コーディネーターの配置や事務所経費に必要な費用を支援します。

補助基準額は1か所当たり年額454.9万円です。補助割合は、国1/2、都道府県と市区町村1/2です。

「コンソーシアムコーディネーター」を配置するために必要な費用の支援

複数の家庭的保育事業所や連携施設が共同事業体を形成し、情報・ノウハウの共有、共同での備品購入、給食提供、代替保育の連携等の保育環境整備、経理面での共同管理などの経営の効率化等を共同で行う場合、「コンソーシアムコーディネーター」を配置するために必要な費用を支援します。

補助基準額は、1自治体当たり年額418.3万円。コーディネーターを2人以上配置する場合は、818.3万円です。補助割合は、国1/2、都道府県と市区町村1/2です。

都市部における保育所等への賃借料等支援事業

都市部における保育所のうち賃借料が公定価格の賃借料加算の3倍を超える場合、公定価格における賃借料加算との乖離分の一部を補助します。

土地の確保が困難な都市部で保育所整備を促進するため、施設整備補助を受けずに保育所の整備を行う法人に対して土地借料の一部を支援します。実施主体は市区町村です。

補助基準額は、賃借料の補助の場合1施設当たり220万円、土地借料の補助の場合1施設当たり212万円です。補助割合は、国1/2、市区町村1/4、事業者1/4です。

民有地マッチング事業

保育所、認定こども園の整備等を促進するため、土地等所有者と保育所等を整備する法人等のマッチングを行い、都市部を中心とした用地不足への対応を図ります。実施主体は都道府県、市区町村です。

土地等所有者と保育所等整備法人等のマッチング支援

地権者から整備候補地の公募・選考等を行い、当該候補地での保育所等整備を希望する法人の公募・選考等を行います。

補助基準額は1自治体あたり 570万円。補助割合は国1/2、都道府県1/2ですが、市区町村が実施する場合は国1/2、都道府県1/4、市区町村1/4です。

整備候補地等の確保支援

地域の不動産事業者等を含めた協議会の設置や担当職員の配置等、整備候補地の積極的な掘り起こしを行います。

補助基準額は1自治体あたり 450万円。補助割合は国1/2、都道府県1/2ですが、市区町村が実施する場合は国1/2、都道府県1/4、市区町村1/4となります。

地域連携コーディネーターの配置支援

保育所等の設置や増設に向けた地域住民との調整など、保育所等の設置を推進するためのコーディ ネーターを配置する際に支援します。

補助基準額は1か所あたり440万円。補助割合は国1/2、都道府県1/2ですが、市区町村が実施する場合は国1/2、都道府県1/4、市区町村1/4となります。

保育所等における要支援児童等対応推進事業

保育士等が有する専門性を活かし地域連携推進員の配置を促進し、保育所等における要支援児童等 の対応や関係機関との連携の強化、運営の円滑化を図るための補助金です。

補助基準額は1カ所あたり456.7万円。補助割合は国1/2、都道府県1/4、市区町村1/4ですが、都道府県が実施する場合は国1/2、都道府県1/2となります。

待機児童対策協議会推進事業

保育所の広域利用調整や公有地等での保育所等設置に係る調整業務、都道府県内の市区町村をまたぐ保育対策関係事業の取組状況の横展開、幼稚園の認定こども園への移行促進などを実施する職員を各都道府県に配置するための費用を補助するものです。

実施主体は都道府県。補助基準額は1都道府県当たり267.8万円です。補助割合は国1/2、都道府県1/2です。

ICTシステム導入への補助金

国や自治体により、ICTシステム導入への補助金が交付されています。保育士や職員の負担軽減や業務効率化が目的で、保育日誌の作成、指導計画案の作成、登降園管理、保護者との連絡既往など、補助金を交付する機関が指定する要件をクリアしたシステムの導入費用に対して補助金の支給があります。

支給の対象となるのはシステムの導入に必要な購入費、リース料、保守料、呼応自費、通信費およびそれぞれにかかる消費税です。クラウド型システムの場合の利用料やハードウェアなどの必要機器も必要経費に含まれます。

上限は1施設あたり100万円。自治体によって区分や対象施設が異なる場合があるので確認が必要です。

認可外保育所への補助金

補助金の手続き

無認可保育所には、自治体の施策による補助金の支給があります。認可外保育所に対して補助金を支給している自治体は少なくありません。補助金の有無について、無認可保育所を設置している自治体に確認すべきです。

企業主導型保育施設の補助金

以前には、企業主導型保育施設は認可外でありながら設備費助成金と運営費助成金と2つ補助金の交付を受けられましたが、既に応募は締め切られており、今後再募集があるかは不明です。

事業所内保育施設の補助金

無認可保育所の中でも事業者内保育施設には、設置費・運営費・増築費の助成があります。

設置費は、大企業で全体の1/3(上限1,500万円)、中小企業で全体の2/3(上限2,300万円)が補助されます。

運営費は、大企業で職員1人あたり年額34万円(上限1,360万円)、中小企業で職員1人あたり年額45万円(上限1,800万円)が助成されます。

企業主導型保育所との違いは、増築費の助成があることです。大企業で全体の1/3(上限は増築750万円、建替え1,500万円)、中小企業で全体の2/3(上限は増築1,150万円、建替え2,300万円)が補助されます。企業主導型保育所では増築費の助成は基本的にはありませんが、支給されるケースもあるので確認しましょう。

事業所内保育施設の補助金申請の手続き

申請の手続きは、各都道府県の労働局雇用均等室への問い合せから始まります。相談の受理と助言を経て、提出書類の準備に入ります。書類の提出期間は定められているので、しっかり確認し厳守することが重要です。

設置費、運営費または増築費、保育遊具等購入費のいずれも、認定申請書の受理や審査を通じて認定が決定し、支給申請書の受理・審査・建築士査定を終えてから支給が決定します。

設置費・運営費または増築費の場合、設置・運営計画または増築(増築・建替え)計画の認定申請を提出後、認定決定日の翌日から1年以内に事業所内保育施設設置・運営開始または運営再開し、その後、設置費または増築費支給申請します。

運営費の場合、運営計画認定申請を提出後、事業所内保育施設の運営を開始した後、運営費支給申請を提出します。保育遊具等購入費の場合、当該期間に保育遊具等を購入し、保育遊具等購入費支給申請を提出します。

病院内保育施設の補助金

病院内保育施設には、保育士の人件及び委託料(ただし人件費相当分のみ)と、病院内保育施設を新設する際に必要な新築・増改築等に要する工事費等について、補助金があります。

人件費への補助基準は、保育児童と保育士等職員の人数、保育時間、月額保育料を元に定められた補助基準を元に、補助金の金額を算定します。24時間保育や緊急一時保育、病児保育等の実施は加算項目となり、各項目の1日あたりの加算額×運営日数が補助金に加算されます。

新築・増改築等に要する工事費等については、収容定員(30名を限度)×5㎡に基準単価である148,300円/㎡を乗じた金額のうち、補助率を基にした金額が補助されます。

IT導入補助金

経済産業省のIT導入補助金は、中小企業や小規模事業者等が経営課題や需要にあったITツールを導入し業務効率化や売上アップといった経営力の向上と強化を目的とした補助金です。全国の私立認可保育所や認可外保育事業者も対象となりあす。

課題解決やニーズに合ったITツールの導入する際の経費の一部を補助します。ソフトウェア費や導入関連費等が対象で、補助率は1/2以下。補助金の上限額と下限額は150〜450万円以下です。

補助金の利用時は、まず事業者とIT導入支援事業者との間で商談を進め、交付申請の事業計画を策定し、交付申請を行います。ITツールの発注・契約・支払後、事業実績を報告し、補助金交付手続きを経て交付されます。

まとめ

認可保育所はもちろん、無認可保育所でも補助金が交付される例があります。こういった補助金の調査と申請には専門的な知識が必要です。自社で不可能な場合には専門の会社に依頼しましょう。

スクルドアンドカンパニーでは、保育所の開園準備から運営までフルサポート。委託実績が豊富で、補助金や助成金の申請にも精通しています。進呈手続に関するご相談にもお答えしますので、お気軽にお問お合わせください。

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