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  • 2021.11.26
  • コラム

小規模認可保育園とは?企業が保育所を設置するメリットと開設の流れ

保育園の遊具で遊ぶ子供
小規模認可保育園は、認可保育園に比べて短期間で開業でき、保育事業に新規参入するハードルが低いといえます。

しかし、企業が小規模認可保育園を設置しようとしても、どのような基準があるのか、どのような流れで設置をすればいいのかなどわからないことが多いかもしれません。

そこで、この記事では小規模認可保育園の概要を説明するとともに、設置するのに必要な知識と手続きの流れについて解説します。

小規模認可保育園とは?

小規模認可保育園とは、2015年にスタートした「子ども・子育て支援新制度」に含まれる事業のひとつです。

「子ども・子育て支援新制度」とは、幼児期の学校教育や保育、地域の子育て支援の量の拡充や質の向上を進めていくために作られた制度です。待機児童や女性の社会進出、地域の保育ニーズにきめ細かく対応するために施行されました。

認可保育園は定員60名以上、0歳から小学校就学前の子どもが対象なのに対し、小規模認可保育園は定員6~19名と小規模で、待機児童の大半を占める0~2歳を対象としています。また、職員の数や資格保有者などの条件で3つの認可基準が設定されています。

小規模認可保育園はコンパクトなので都市部でも設置しやすく、地方においても保育が必要なエリアにスポット的に設置できます。そのため、新たな保育所の形として注目されています。

小規模認可保育園を開設するメリット

事業として小規模認可保育園を運営するメリットは次の通りです。

補助金・助成金を受給できる

小規模認可保育園の運営や改修にかかる費用に対し、財政支援を受けられます。かつて小規模の保育施設はすべて認可外保育園に分類されていましたが、基準を満たすことで市町村の認可事業として運営できるようになったのです。

補助金には以下のようなものがあります。

保育所等整備交付金 保育園の新設・修理・改造・整備にかかる経費や防音壁の整備、防犯対策の強化にかかる費用の一部を補助するもの。
保育対策総合支援事業費補助金 保育施設が認可保育所等の設備運営基準を満たすために必要な改修費等の一部を補助するもの。
運営費助成金 保育所の定員規模や入所児童の年齢区分等によって運営費を補助するもの。

船橋市の補助金事例

自治体によっては、独自の補助金や助成制度を上乗せして設定している場合もあります。ここでは、千葉県船橋市の「建物改修費等補助金」の事例を紹介します。対象となる項目は施設整備費、設備整備費、建物賃借料の3つです。

認可定員 補助基準額 補助率
6~10人 1,600万円 3/4
11~14人 2,570万円
15~19人 3,500万円

参考:船橋市「小規模保育事業建物改修費等補助金交付要綱」

小規模認可保育園を含む認可保育園の補助金については、以下のページで詳しく紹介しています。

認可保育園がもらえる補助金とは?条件や金額の目安、申請方法を紹介

認可保育園よりも短期間で開業できる

次のメリットとしては、通常の認可保育園よりも短期間で開業できることです。認可保育園は認可が下りるまでに時間がかかり、設置するまでの準備期間はおおよそ2~3年です。しかし、小規模認可保育園は10~11ヵ月ほどと、比較的短期間で開設できます。

自治体との交渉や申請手続きなどのソフト面と平行して、物件の選定から内装設計・施工などのハード面の準備も進めることができ、より短期間で開業できるのです。

運転資金の融資を受けやすい

小規模認可保育施設は自治体の認可事業であるため、社会的信頼度の高い事業です。そのため、融資商品が充実しており、運転資金の融資を受けやすくなっています。

例えば、独立行政法人福祉医療機構は小規模認可保育事業を行う事業者に対し、通常融資率80%のところ、90%まで引き上げて貸付を実施しています。

また、賃貸で開業する際は無担保貸付制度が用意されており、設置・整備資金の無担保貸付限度額を通常300万円から3,000万円に引き上げる優遇融資を実施しています。

参考:独立行政法人福祉医療機構「福祉貸付事業 融資のご案内」

園児の申し込みや選考は自治体が主導

小規模認可保育園の入園申し込みや選考は、自治体が主導してくれます。認可外保育園のように園児募集のための広告費は必要なく、定員を満たした状態で開園できる可能性が高いのです。

また、保育無償化の対象でもあるため、立地などの条件さえ合えば入園希望の対象にやりやすい点も強みと言えるでしょう。

きめ細やかなサービスを実施できる

小規模認可保育園は、認可保育園に比べ園児数が少ないため、よりきめ細やかな保育を実施できます。

一人ひとりの子どもに目が届き、従業員の教育や勤務環境にも配慮しやすくなります。0~2歳児に特化した保育サービスを充実させることで、大規模園にはないアットホームな環境で保育を提供できるでしょう。

小規模の保育園を運営するメリットについては、以下のページで詳しく紹介しています。

小規模保育園を運営するメリットは?利用者のメリットと併せて紹介

小規模認可保育園の種類とそれぞれの設置基準

保育士

小規模認可保育園は、A型・B型・C型の3つに分かれています。

ここでは、国が定める認可保育園の基準と比較して、それぞれの配置基準を紹介します。自治体によっては独自の基準を上乗せして設定している場合があるのでご注意ください。

国が定める認可保育園の基準

職員配置
  • 0歳児3人に対して保育士1人
  • 1~2歳児6人に対して保育士1人
職員資格 保育士(全員)
定員 60人以上
保育室等
  • 0・1歳児…乳児室1人あたり1.66㎡/ほふく室1人当たり3.3㎡
  • 2歳以上…保育室等1人当たり1.98㎡

A型

A型は保育所分園に近い形態です。職員は全員が保育士資格を有し、国の基準より1人多く配置するよう定められています。

職員配置 保育所の配置基準+1人
職員資格 保育士(全員)
定員 6人以上19人以下
保育室等 0歳・1歳…1人当たり3.3㎡/2歳児…1人当たり1.98㎡

B型

B型は、A型とC型の中間の形態です。職員の半数以上が保育士である必要があり、A型と同じく国の基準より1人多く配置するよう定められています。

職員配置 保育所の配置基準+1人
職員資格 1/2以上が保育士
定員 6人以上19人以下
保育室等 0歳・1歳…1人当たり3.3㎡/2歳児…1人当たり1.98㎡

C型

C型は家庭的保育に近い形態です。職員の家庭的保育者、家庭的保育補助者は、市町村が行う一定の研修を終了している必要があります。

職員配置 3人に1人(補助者を置く場合は5人に2人)
職員資格 家庭的保育者
定員 6人以上10人以下
保育室等 1人当たり3.30㎡

小規模認可保育園を開設するまでの流れ

保育園の子供

小規模認可保育園を翌年の4月に開業すると想定して、全体的な流れやスケジュールを紹介します。

自治体の募集要項の確認

自治体のホームページなどに、小規模認可保育園の種類と整備数が発表されます。定員は、以下のように周辺の保育需要などを考慮して決まります。

○○市A型:××地区4ヵ所、△△地区 2ヵ所

小規模認可保育園の募集に応募できる経営者に特別な資格は必要ありませんが、以下のような基準を満たす必要があります。

  • 租税(国税・地方税)を滞納していない。
  • 会計年度で3年連続損失を計上していない。
  • 暴力団と関わりがない、など。

認可保育園(小規模認可保育園を含む)を開業するのに必要な条件については、以下のページで詳しく説明しています。

認可保育園の条件とは?企業なら事業所内保育事業がおすすめ

提出書類

小規模認可保育園の設置を申請するのに必要な書類は15種類前後です。主に以下のような書類を提出する必要があります(自治体により書類の数や書式名は異なります)。

開業計画に関連する書類
  • 家庭的保育事業等設置協議申込書
  • 事業計画書
  • 本申込に係る誓約書及び宣誓書
  • 小規模保育事業認可化移行計画書(移行希望施設のみ)
事業者に関連する書類
  • 法人登記事項証明書
  • 法人の定款(3ヵ月以内)
  • 預金残高証明書(1ヵ月以内)
  • 借入金残高証明書(1ヵ月以内)
  • 決算報告書の写し(過去3か年分)
物件に関連する書類
  • 設置予定施設周辺地図
  • 設置予定施設平面図
  • 設置予定施設物件の登記事項証明書
  • 建築確認済証及び検査済証の写し
運営に関連する書類
  • 施設長候補者履歴書
  • 連携施設確保に係る協議報告書
  • 家庭的保育事業等実施予定収支計画書
  • 直近の所轄庁による既存運営施設の監査結果及び改善結果の写し

開設までのスケジュール

毎年5~6月に小規模認可保育園の申し込みが開始されます。開業までの流れは、以下の例のようになります。

時期 自治体との協議 ハード面の準備
5月~6月末日 協議申込書受付期間
  • 保育所の場所を確保する
  • 施設長を手配する
7~8月 協議対象施設の選定・審査
  • 施設プランニング
  • 工事着工
  • 教育カリキュラム、マニュアル、オペレーションなどの作成
  • 工事竣工(内装)
10月 一次利用調整(選考)申込み開始
次年1月 認可・確認申請書提出
次年2月 一次利用調整(選考)結果通知
  • 保育士を募集・採用
  • 開園準備(設備や備品搬入)
  • 入園説明会
  • 入園式
次年3月 事業認可・確認
次年4月 事業開始

審査期間中は自治体窓口でのヒアリングや、現地調査なども行われます。

保育園を開業するときに必要な備品については、以下のページで詳しく紹介しています。

保育園の開設に必要な備品とは?備品選びのポイント、注意点を紹介

選考基準

選考基準は各自治体の条例や要綱に定められています。設置基準に加え、自治体の担当者が以下のような項目をチェックします。

  • 保育施設設置者として安定した経営をしているか。
  • 年間事業費の1/12に相当する資産を有しているか。
  • 待機児童対策に効果的な立地であるか、など。

まとめ

小規模認可保育園は国が支援を打ち出している事業のため、保育園を開業したいと考えている事業者は、より負担少なく保育園を作れる可能性があります。とはいえ、保育事業の開設に関するノウハウがないとスムーズに保育園を開業するのは難しいかもしれません。

スクルドアンドカンパニーは、40園以上の運営実績があり、直営と委託双方のノウハウを持っています。小規模認可保育園に適した物件の紹介や自治体との交渉、申請書類の準備など、開業サポートも承っております。

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