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  • 2021.12.23
  • コラム

保育指導案の書き方とは?年齢別のポイント&種類別の作成方法を紹介

保育指導案
保育指導案は、適切な保育を実施するために欠かせない書類です。保育の目標やねらいを設定して、どの時期にどのような活動をするのか明らかにします。

ただ、年間・月間・週間・日間それぞれで指導案があり、作成する種類が多いので「何をどう書けば良いかわからない」と悩んでしまう方は多いと思います。

そこで、この記事では保育指導案の書き方やポイントを詳しく紹介します。例文も掲載しているので、ぜひ参考にしてください。

保育指導案とは?

保育指導案は、別名「指導計画」とも呼ばれています。

保育の具体的な方向性を示すものであり、保育のねらいや保育の内容を設定することで、子どもをどう援助・配慮していくか明確化します。

厚生労働省が告示する「保育所保育指針」では、以下のように定義されています。

保育所は、全体的な計画に基づき、具体的な保育が適切に展開されるよう、子どもの生活や 発達を見通した長期的な指導計画と、それに関連しながら、より具体的な子どもの日々の生活に即した短期的な指導計画を作成しなければならない。

引用:厚生労働省「保育所保育指針解説」

保育指導案は年齢やクラスごとに作成し、各園の保育理念や保育指針に沿って作成します。

長期指導案と短期指導案の違い

保育指導案は年・数ヵ月単位の「長期指導案」と、子どもの生活に即した週・日などの「短期指導案」があります。

長期指導案は年間、月間など長期的な保育の見通しを示すものです。子どもの発達や生活の節目に配慮し、それぞれの時期にふさわしい内容の保育を考えます。家庭や地域と連携し、行事などを通して園児が豊かな生活体験を得られるよう工夫します。

短期指導案は週間、日間など短期的な保育の見通しを示すものです。その時期の子どもがどのようなことに興味関心を抱いているのかに配慮して、実態に即した内容にします。

例えば、子どもの生活や遊びの連続性を尊重しつつ、柔軟な保育が展開されるよう環境を見直したり、しばらく継続している遊びに新たな要素を付け加えたりします。1週間、1日の中に、子どもの多様な活動が調和的に組み込まれるよう配慮することが大切です。

主な項目の意味

保育指導案の項目の概要について解説します。園によって書式や項目名称が異なりますのでご注意ください。

ねらい 子どもに習得を期待する資質や能力のこと。年齢に応じたねらいを設定することで、安定した生活を送り、充実した活動ができるようになる。
予想される子どもの姿 遊びや行事、イベントで子どもたちがどのような行動をとるのか予測する。具体的な取り組みをイメージしやすくなる。
環境構成 子どもたちが自発的に周囲の環境と関わり、成長や発達を育めるような環境を整えること。例えば、つたい歩きを行うために柱や棚に保護クッションを設置する、といった内容が環境構成に該当する。
保育の配慮 保育士や環境校正で注意すべきことを記載する。トラブルを未然に防ぐ対策や、効率よく実施するための手段など。

保育指導案の記入例と留意点

保育園の先生

保育指導案の記入例を紹介します。年間計画、月案、週案、日案の順番に作り込んでいくのが一般的です。各案について詳しく解説します。

年間計画

年間計画は4月から翌3月までの1年間の生活を見通して作成する保育指導案です。

記入例

留意点

  • 4期(3ヵ月ごと)に区切るなどして、目標や達成したいことを継続して続けられるようにする。
  • 保育士間で共通の認識を持つため、複数名で協力して作成する。
  • 園の保育理念や保育指針との統合性を意識する。
  • 予定や行事を詰め込みすぎないようにする。
  • 季節の変化などを通して豊かな心情が育つようにする。

月案

月案は年間計画を達成するために、月単位に内容を落とし込んだ保育指導案です。ひとり一人の発達段階に対応できるよう、園児個別の計画表を作成している園もあります。

記入例

留意点

  • 日本の伝統行事や慣習を生活や遊びの中に盛り込む。
  • 項目を細分化し、それぞれにどういった関りや援助が必要か記載する。
  • 環境構成の内容を具体化し、何が必要か明確にする。

週案

月案を達成するために、週単位に内容を落とし込んだ保育指導案です。月案を元に第1週~第4週まで作成し、1週間の生活を継続的な視点をもって構成を考えます。

記入例

留意点

  • 戸外活動の目的地や持ち物、保育士の動きなども記載する。
  • 晴れたとき、雨が降ったときのパターンを用意しておく。
  • 先週を振り返り、園児が今取り組んでいることや興味のあることを絡めて一歩進展させる。

日案

日ごとの保育スケジュールを細かに記載した保育指導案です。時系列で1日の流れを記載します。

記入例

留意点

  • 園児が1日を通してどう生活すれば楽しく、充実した時間を過ごせるか考える。
  • 週案よりもより実践的で具体的な内容を記載する。
  • 天候の変化など、計画変更の代替案も考えておく。
  • 当日実施できなかった活動は翌日に持ち越し、週単位で達成する意識を持つ。

保育指導案を作成する前にやること3つ

保育園の先生のすること

ここでは、保育指導案を作成するまえに抑えておきたいポイントを3つ紹介します。

園児と園の様子を丁寧に観察する

園で過ごしている子どもたちの様子を丁寧に観察しましょう。子どもの年齢や園の雰囲気で保育指導案の内容や方向性は変わってきます。

例えば、年間計画は1年後の子どもの姿を予測するわけですから、0歳児クラスなら1歳児、1歳児クラスなら2歳児もよく観察して、何をどう伸ばしていくのか考えます。月案や週案は、今園児が取り組んでいることに着目し、興味を持っていることから一歩進展させて、達成できるねらいを設定します。

発達段階ごとの特徴に注意しながら観察することが大切です。

職員全員が共通認識を持つ

保育指導案を作成する前に、職員全員が保育理念、保育指針を共有できる場を設けます。

組織的に運用できるように、職員全員が同じようなクオリティで保育指導案を作成できるようにしておくべきです。現場の保育士に任せきりにしてしまうと、クラス替えや担当の保育士が変わったときに、子どもたちが戸惑ってしまうかもしれません。

園長や先輩保育士によるチェック体制や、午睡中や朝夕の引き継ぎ時など、コンスタントに話し合いの場を設けることも大切です。

書き方を統一する

保育指導案の書き方をある程度統一しましょう。ルールがないと品質に差が出てしまい、効率よく運用できないかもしれません。

基本的なことですが「です・ます調」(敬体)と「だ・である調」(常体)を使い分け、あいまいな表現や文章の途中で主語が変わるような書き方は避けます。

また、子どもの主体性を尊重するために「~させた」「~してあげた」というような誘導的な表現は使わないようにします。書き方を統一することで品質が安定し、作成時間の短縮や抜け漏れ防止にもつながります。

【年齢別】保育指導案のポイント

厚生労働省の「保育所保育指針解説」を元に、年齢別の保育指導案作成のポイントを紹介します。

0歳児

0歳児は視覚や聴覚などの感覚、はう、座る、歩くなどの運動機能が著しく発達する時期です。これらを踏まえて、愛情豊かに、応答的な関りができるように作成します。

また、疾病や異常をいち早く発見するため、常に体の状態を細かく観察し、保険的で安全な環境を意識します。

0歳の長期案例
  • 運動機能の発達
  • 発語を促す
  • 離乳、離乳食
  • 外界への意欲
  • 人・物への関り
  • 安定した生活リズム
  • 五感を使って楽しめる環境
0歳の短期案例
  • はいはいや伝い歩きの補助
  • 喃語や発語に対する反応
  • なめたり握ったりする感触
  • 腹ばいやお座りなど姿勢ごとの遊び
  • 自分で食べようとする気持ちの尊重
  • 散歩で自然や季節を感じる

1歳児

1歳児は歩く、走る、ジャンプするなどの基本的な運動機能が発達し、食事や排せつなど自立のための身体的機能も整う時期です。自分でやろうとする気持ちを暖かく見守り、愛情豊かに、応答的に関われるよう作成します。

1歳の長期案例
  • 言葉の発達
  • 生活リズムの安定
  • 自我の芽生えを育む
  • 周囲への興味関心
  • 道具を使うことへの認識
  • 体を動かす喜び
  • 戸外活動の充実
1歳の短期案例
  • 問いかけや甘えたい気持ちに応じる
  • 毎日のルーティンを教える
  • おまるや便器での排せつに興味を持たせる
  • 食べ物の好き嫌いに根気強くつきあう
  • 遊びの楽しさを共感する
  • 安全かつ変化のある場所での探索遊び

2歳児

2歳児は1歳児と同じく、のびのびとした運動、規則的な生活習慣、身体機能の発達や言語表現などを中心に作成します。

2歳の長期案例
  • 生活習慣を身に付ける
  • 自分で次の行動を考える
  • 他者との関わりを深める
  • 自分の体を自分で動かす喜び
  • 個人差に対応できる幅のある遊び
2歳の短期案例
  • 身の回りのことを自分でやる、選ぶ場面づくり
  • 体を動かす遊びを楽しむ
  • 遊びながら物の貸し借りや協力を知る
  • つもり遊び、見立て遊びを見守る
  • 生活や遊びの中で「できた」という満足感

まとめ

保育指導案は、子どもの成長や個性に合わせて作成し、適宜修正を加えながら運用するものです。書類を作成することが目的になり、運用が形骸化してしまうことは避けなければいけません。

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