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  • 2021.12.26
  • コラム

保育園のクラス運営を円滑にする方法とは?活気あふれる保育園を実現

クラス運営

保育園のクラス運営がうまくいかず、悩んでいる経営者の方も多いのではないでしょうか。

クラス運営には保育士間の連携、園児理解、保護者対応など様々な側面があり、それらを複合的に展開していかなければなりません。

円滑なクラス運営を実現できれば、保護者の満足度はアップして園児数を増やすことができますし、保育士が定着します。一方、クラス運営に問題があれば、保育士は定着せず園児数も減ってしまうでしょう。

この記事では、クラス運営を円滑にする方法を紹介します。

クラス運営が保育園に与える影響とは?

クラス運営の良し悪しが、保育園経営にどのような影響を与えるのか解説します。

評判の悪化

クラス運営の良し悪しは、評判の悪化につながります。近年、スマホの普及により保育園の口コミやレビューを簡単に入手できるようになりました。こうした評価情報は、保護者が保育園を選ぶときの基準に大きな影響を及ぼします。

また、保護者同士のネットワークでの口コミというのも大きな影響力を持ちます。クラス運営の良し悪しで評判が落ちてしまうと、園児や保育士の応募が減ってしまう可能性があるのです。

保育士の定着率

クラス運営の良し悪しは、保育士の定着率に関係します。

保育士の配置数は園児数、年齢によって定められているため、1クラス2人、多いところで5~6人の複数担任制であることが多いです。保育士間で協調性や気配りなどのチームワークが構築できていないと、保育士は離職してしまいます。

東京都福祉保健局「東京都保育士実態調査報告書」(令和元年5月公表)によると、保育士の退職理由は「職場の人間関係」が3割強(38.0%)と最も多くなっています。

保育士にとってクラス運営は重要であり、クラス運営を円滑化することで定着率がアップすると考えられます。

トラブル発生件数

クラス運営の良し悪しは、トラブルの発生件数に関係します。

保育科学研究「乳児保育におけるトラブルの要因とその解決に関する研究」によると、保育士の周りに子どもが集まっている園は、引っかきや噛みつきなどのトラブルが少ないとあります。遊びを含めたすべての生活場面において、園児の活動が保育士の目の行き届くところで行われるからです。

保育士と園児の信頼関係を構築できれば、クラス運営は円滑化し、トラブル発生件数は減っていくと考えられます。

複数担任制のクラス運営を円滑にする方法

子供

保育園は複数担任制のケースが多く、だからこそクラス運営が重要になります。

「乳児保育における現状と課題 保育者のアンケートを手がかりに」によると、「保育者間の連携で大変だと思うことは何ですか?」というアンケートに対し「言葉の取り違え」「共通理解が図れない」と回答する保育士が多くいました。

複数担任制であるがゆえに、クラス運営において互いの認識が違ったり、言葉のニュアンスが伝わらないことがよく発生するのです。ここでは、複数担任制のクラス運営を円滑化する方法を紹介します。

報連相(ホウレンソウ)で情報を共有

報連相を個人の意識に頼りすぎず、誰が行っても同じになるようオペレーションを組むことが大切です。保育士1人でトラブルや問題を抱え込まないよう、組織的に対応します。

以下のようなルールを定めると、スムーズに運用できます。

  • 誰に報告、連絡、相談するのか明確にする。
  • 組織の序列を飛び越さないようにする。
  • 5W2Hを意識してわかりやすく手短に伝える。
  • 急務でない場合はメモや書き置きを残す。
  • 長期にわたる仕事は中間報告をする。

報連相を正しく行うことで、正確かつ迅速なコミュニケーションを取ることができます。

定期的に話し合いの機会を設ける

保育士間で定期的に話し合いの場を設けます。同じ学年のクラスだけではなく、他学年のクラスとも気軽に情報交換できる機会も設けると良いでしょう。

報連相で十分では、という考えもありますが、トラブルや問題を複数名で共有していかないとクラス運営の業務そのものがブラックボックス化してしまい、解決するのに多大なコストがかかってしまうのです。

とはいえ、話し合いの際にコスト意識を持つことも大切です。事前に以下のようなルールを決めておくと、スムーズに運用できます。

  • 話し合いの時間を決めておく。
  • 事前に議題を決めて共有しておく。
  • 議事録を残して閲覧できるようにしておく。

話し合いによって、トラブルや問題を園全体で解決していくという共通認識を形成できます。

ICTを導入して業務負担を軽減する

ICTを導入するなどして、保育士の業務負担を軽減する取り組みも有用です。

手元のデバイスで園児の様子や保護者対応に必要な情報を入力できれば、必要なときに必要な情報を取り出せます。保育士間でそれらの情報を共有できれば、報連相や話し合いもスムーズに進むでしょう。

保育士の業務負担が減ることで、互いの業務をフォローする余裕も生まれ、クラス運営は円滑化します。

園児がまとまるクラス運営の方法

クラスの園児が共同生活を一体感を持って楽しめるように、園児がまとまるクラス運営が大事です。ここでは、このクラス運営の方法を紹介します。

保育士間で1日の見通しを共有する

日案などを元に、1日の見通しを保育士間で共有します。保育士1人では気付けなかったことも、複数名だと気付くことができます。

当たり前のことですが、園児は一人ひとり性格や個性が異なります。戸外が好き、給食が苦手、服の着脱ができない、誰と誰がケンカするなど、再確認しながら子ども行動を予測し、どういったサポートが必要になるのか考えます。

それにより、トラブルを回避するためチーム分けをしたり、場面によって他クラスの保育士にサポートに入ってもらうなど冷静に判断することができます。毎日見通しを共有することで、予想外のトラブルにも対応できる余裕が生まれるでしょう。

保育の内容にメリハリを持たせる

元気に外遊びする「動」のカリキュラムと、紙芝居に集中する「静」のカリキュラムを組み込むなど、1日のスケジュールにメリハリを持たせます。

例えば、交通安全教育など大事な話を静かに聞いてほしいときは、その前に外遊びをして体を少し疲れさせます。運動会や音楽会など覚えたり集中することが必要なときは、前後に疲れたり興奮するようなカリキュラムを設けないなど工夫します。

保育の内容にメリハリを持たせることで、園児がまとまりやすくなります。

園児に積極的に話しかける環境づくり

クラス名簿を見ながら園児のことを振り返り、全員に言葉がけするようにします。このとき、肯定的な言葉を使うよう意識することが大切です。

言葉がけのポイントは以下の通りです。

  • 「ありがとう」「よくできたね」などちょっとした言葉がけを多くする。
  • 「~はダメ」ではなく、「~になるといいな」「~なろうね」など肯定的な言葉を使う。
  • 自由時間や食後など、園児がリラックスしているときにも話しかける。

保育士の言葉や仕草は園児に大きな影響を与えます。保育士が園児に積極的に関わろうとする環境をつくることで、クラス運営は良くなります。

特定の園児ばかり注意しない

特定の園児ばかり注意してしまうと、クラスの雰囲気が悪くなります。保育士が一人で問題を抱え込んでいるとき、心に余裕がないときに指導が偏ってしまうことがあるので注意しましょう。

園児の問題行動はSOSです。一方的に叱ったりせず、問題行動に至った背景を理解することからはじめます。園児の行動は他の保育士と共有し、多様な角度から園児の気持ちに寄り添えるようにします。

感情的になりそうなときは、深呼吸するなどして落ち着いてから対応しましょう。トラブルがあったときは当事者だけでなく、周囲からも情報をキャッチして、客観的に判断することが大切です。

【年齢別】保育園のクラス運営のコツ

クラス運営

年齢によって自我の発達が異なるので、運営の方法も変わってきます。年齢別のクラス運営のコツについて解説します。

0歳児

0歳児のクラス運営は1対1が基本です。園児の甘えと受容を十分に保障して、ゆったりと応答的な保育を心がけます。

乳児は疾病への抵抗力が弱いため、保育士は一人ひとりの発達や健康状態を把握し、保険的な対応ができるよう専門知識も入手しておきます。

保護者と密に連携をとり、1日24時間を視野に入れた生活リズムを意識しましょう。

1歳児

1歳児は自我が芽生え、何でも「自分でやりたい」という意欲が出始める時期です。自分の気持ちを上手く表現できない時期なので、絵本や玩具の取り合い、引っかきや噛みつきなどのトラブルもよく起こります。

いいこと、いけないことは理解できるため、保育士は何がいけなかったのかその都度伝えていきます。無理に行動や気持ちを抑え込もうとせず、子どもの意思や意欲を見守ることが大切です。

トラブルの際は双方の話をよく聴き、どうしたら良いのか解決方法を知らせます。輪に入り仲立ちをしながら、根気強く言葉で伝えていきます。

2歳児

2歳児は1歳児に引き続き、手が出てしまったり、噛みついたりするなど友達とトラブルになることが多い時期です。

保育士は園児の間に入り、互いの気持ちの懸け橋になることが大切です。困ったときや相手に何か伝えたいときは「言葉を使う」必要があると教えます。トラブルがあったときはお互いの気持ちを代弁し、相手の気持ちを想像できるようにします。

この時期のもどかしい気持ちを保育士に受け止めてもらうことで、園児は安心感を得ます。

まとめ

保育園にとってクラス運営は重要です。経営者側が複数担任など保育士間の人間関係に配慮し、クラス運営が円滑になるよう適切なオペレーションを構築しなければなりません。

また、保育士が園児と良好な関係を築けるよう、保育士の意識を高める教育体制や研修制度も整える必要があります。

スクルドアンドカンパニーには100園の運営実績があります。クラス運営に関するノウハウを蓄積しているため、保育園の規模、施設の種類問わず保育園経営を強力にサポートできます。お気軽にご相談ください。

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