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  • 2021.12.26
  • コラム

保育園に必要な保育士の人数とは?緩和措置の内容と最新データを紹介

保育士

保育士の人数確保は現在でも問題になっています。保育園を経営する上で、保育士の配置基準は満たさなければならない基準の一つです。慢性的な人手不足により、配置基準に苦戦している経営者は少なくありません。

近年、待機児童解消を確実なものとするため、基準の規制緩和が進んでいます。最新の配置基準を把握しておけば、人数の見直しを適切に実施できるでしょう。

この記事では、保育園の形態ごとの配置基準と計算方法を説明するとともに最新の緩和措置について解説します。保育士の人数の推移データも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

保育園に必要な保育士の人数とは?

保育園の運営に必要となる保育士の人数は、厚生労働省の「児童福祉施設最低基準」に定められています。基準を満たさないと保育園を運営することはできません。

園児の年齢 保育士の数
0歳 子ども3人に対して保育士1人 原則として施設の開所時間については常時2人以上
1~2歳 子ども6人に対して保育士1人
3歳 子ども20人に対して保育士1人
4歳以上 子ども30人に対して保育士1人

この基準が、保育士の配置基準のベースとなります。適切な保育を実施するため、低年齢ほど保育士の人数を多く、成長するに従い保育士の人数を少なく設定されています。

【保育園の形態別】保育士の必要人数

保育園の形態ごとの必要人数を紹介します。

保育の質の向上などを目的に、自治体や保育施設が独自に基準を設けている場合もありますのでご注意ください。

認可外保育施設

認可外保育施設とは、都道府県知事等の認可を受けていない保育施設のことです。配置基準は先に紹介した基準をベースとしていますが、保育時間によって必要人数が異なります。

保育時間 保育者の人数
11時間以内のとき 保育所の配置基準と同様
11時間を超える時間帯 保育されている児童が1人である場合を除き、常時2人以上の配置が必要

参考:内閣府「認可外保育施設の質の確保・向上について」

また、認可保育園は保育士すべてが有資格者でなければならないのに対し、認可外保育園は保育者の3分の1以上が保育士または看護師資格保有者と定められています。

地域型保育事業

地域型保育事業は、保育ニーズの高い0~2歳を対象としています。4つの事業形態があり、すべて都道府県知事等の認可が必要です。

ここでは、内閣府の「子ども・子育て支援新制度ハンドブック(施設・事業者向け)」を元に、各施設の必要人数について紹介します。

小規模保育事業

小規模保育事業は、定員6~19人の保育施設です。

多様な事業からの移行を想定し、保育所分園に近いA型、家庭的保育(グループ型小規模保育)に近いC型、その中間的なB型の3つが設けられています。C型のみ年齢による区分がありません。

類型 保育者の人数 保育者の資格
A型 保育所の配置基準+1人 保育士
B型 保育所の配置基準+1人 1/2以上が保育士
C型 0~2歳児 3:1(補助者を置く場合 5:2) 家庭的保育者

事業所内保育事業

事業所内保育事業は、従業員の子どもに加えて、地域の保育を必要とする子どもを対象とした保育施設です。定員数によって保育士の人数が異なります。

定員数 保育者の人数
20人以上 保育所の配置基準と同様
19人以下 小規模保育事業A型、B型の基準と同様

家庭的保育事業

家庭的保育事業は、保育者の居宅などで少人数の子どもを預かる保育事業です。

保育者の人数 保育者の資格
0~2歳児 3:1(補助者を置く場合 5:2) 家庭的保育者(+家庭的保育補助者)

居宅訪問型保育事業

居宅訪問型保育事業は、子どもの居宅に運営事業者が保育者を派遣し、1対1の保育を行う事業です。

保育士の人数 保育者の資格
0~2歳児 1:1 必要な研修を修了し、保育士、保育士と同等以上の知識及び経験を有すると市町村長が認める者。

保育士の人数の緩和措置とは?

保育士

国は保育の受け皿がひと段落するまでの一時的な措置として、各自治体が保育士配置の特例を実施できるようにしています。概要は以下の通りです。

特例の対象 特例の詳細
朝夕など子どもが少ない時間帯 従来は常時2人以上の保育士配置が必要であるが、朝夕など子どもの少ない時間に限り、2名のうち1名は子育て支援員研修を修了した者等に代替可能とする。
子育て支援員の活用 長時間の開園などにより、従来の配置基準以上の保育士が必要となる場合において、子育て支援員研修を修了した者等に代替可能とする。ただし、代替職員は研修を受けて保育知識を習得することや、職員全体の3分の2以上は保育士資格を持つ職員を配置することが条件。
幼稚園教諭や小学校教諭の活用 幼稚園教諭・小学校教諭・養護教諭といった子どもと関わりのある職種であれば、保育士の業務を代替可能とする。ただし、代替職員は研修を受けて保育知識を習得することや、職員全体の3分の2以上は保育士資格を持つ職員を配置することが条件。

参考:厚生労働省「保育所における保育士配置の特例(平成28年4月施行)の実施状況調査について(平成28年10月1日)」

保育士の必要人数を計算する方法

事業所内保育事業を例に、必要な保育士の人数を求める計算式をステップごとに紹介します。

1.年齢ごとに定員数を設定する

定員19名以下と仮定して、年齢別に園児数を割り振ります。ここでは、以下の例のように設定します。

園児の年齢 園児の定員
0歳 7人
1歳 6人
2歳 6人
合計 19人

2.定員を必要保育士数で割る

定員を必要保育士数で割ります。

園児の年齢 園児の定員
0歳 7人÷3=2.3人(小数点第2位を切り捨て)
1歳 6人÷6=1人
2歳 6人÷6=1人
合計 2.3+1+1=4.3人

合計は小数点以下を四捨五入するため、4.3人を4人として算出。事業所内保育事業は小規模保育事業A型、B型の基準と同様の基準となるため、最後に1人追加(4人+1人=5人)します。

この保育園で必要となる保育士の人数は5人です。

3.朝夕などに必要になる保育士数を加算する

上記で算出された人数は、通常保育をする上での最低人数です。

早朝保育や延長保育を実施するなら、早番と遅番のシフトを調整しつつ、常時2名以上になるよう調整します。

保育士の人数と従事者数

厚生労働省の「保育士の現状と主な取組」によると、平成30年に指定保育士養成施設の卒業で資格を取得した人は39,909人、保育士試験を合格して資格を取得した人は19,483人です。数値はほぼ横ばいで、毎年約5~6万人前後の保育士が新たに誕生していると考えられます。

ただ、平成30年時点で保育従事者として勤務している人は約59万人、保育士資格を持っているものの従事していない潜在保育士は約95万人と従事者の1.6倍です。

保育士の採用に苦戦している保育園は、潜在保育士の掘り起こしにも注力しましょう。

有効求人倍率と就職先

厚生労働省「保育士の有効求人倍率の推移(全国) 」によると、令和3年10月の有効求人倍率は2.66倍と高い水準で推移しています。

平成30年に指定保育士養成施設を卒業した保育士の就職先は「保育所及び幼保連携型認定こども園」が23,216人なのに対して「地域型保育事業」は561人となっており、新卒は公立や私立の中大規模保育園に集中しています。

保育従事者の経験年数は8年未満が約半数というデータもあるため、定員20前後の小規模園は、新卒や若い層向けの採用媒体ではなく、地域密着型の中途採用向け媒体を活用した方が効率的でしょう。

委託という選択肢も

保育士の人数を確保するには委託という選択肢もあります。委託会社に運営を委託すれば、保育士の人数に頭を悩ませることはなくなります。

なぜなら、委託会社が保育士を直雇用しているからです。委託費は掛かりますが、人件費のコントロールや保育士の採用など、運営に関わるすべてを委託会社に任せられます。

自主運営により保育士を確保できず、経営に行き詰まっている保育施設は少なくありません。万一立ち入り調査の際に配置基準などの問題が発覚すれば、業務停止の可能性もあります。委託会社に任せることでそのリスクを防げるのです。

まとめ

保育士の配置基準と最新の緩和措置を把握しておけば、保育士人材の確保や人数配分の見直しも適切に行えます。

ただ、保育業界は慢性的な保育士不足が課題となっており、余裕を持たせた配置基準を実現するのは難しいかもしれません。

スクルドアンドカンパニーには100園以上の運営実績があります。運営を委託することで、保育士の定着や人件費のコントロールなど、運営に関わる問題を解決できます。

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