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  • 2021.07.27
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企業内保育所の補助金とは?申請方法も事例でわかりやすく解説

補助金
企業内保育所が条件を満たすことで受け取れる補助金や助成金には2種類あります。1つは国による企業主導型事業への助成金、もう1つは自治体独自の補助金制度です。

どちらも自治体(都道府県及び市町村)の認可と申請手続きが必要であり、自治体の補助金は制度そのものの有無、申請条件、審査基準、支給額など自治体により異なります。

この記事では、国の助成金制度を説明するとともに、自治体の補助金例として埼玉県(企業内保育所設置等促進事業)を例に、企業内保育所の補助金申請から受給までの流れを解説します。

企業内保育所でもらえる補助金は2パターン

企業内保育所でもらえる補助金は、以下の2パターンです。

  1. 国が主導する企業主導型保育事業の助成金
  2. 企業内保育所のある自治体が独自に展開する補助金

企業主導型保育事業の助成金は、企業主導型保育事業(運営費等)助成決定事業者、もしくは令和3年度企業主導型保育事業の審査を通過した事業者(現在審査中)が対象です。

自治体の補助金は、都道府県や市町村により、制度の有無や条件が異なります。そのため、施設規模を問わずお住いの自治体に問い合わせる必要があります。

ここからは、国と自治体それぞれの補助金について詳しく解説します。

企業主導型保育事業の補助金

企業主導型保育所

企業主導型保育事業とは、平成28年に内閣府が開始した企業向けの助成制度のことです。

助成金の内訳は「整備費」と「運営費」に分けられ、それぞれに複数の「加算金」があります。加算金は質の高い保育を提供する事業者に対し、助成金を拡大するために設けられています。

企業主導型保育事業は令和3年6月で新規の受付を終了しており、今後制度が再開されるかは不明です。

整備費、運営費それぞれの助成内訳、受給事例については以下で詳しく解説しています。

企業主導型保育事業で実際にもらえる助成金とは?申請の流れも紹介

整備費助成金の概要

整備費助成金は、保育所を開設する際の工事費に対する助成金であり、基本分と加算分で構成されます。開設のタイミングで一度だけ受給できます。

整備費助成金(基本分) 定員・地域ごとに定められている基礎的な支給額
整備費助成金(加算分) 地域交流や一時預かりスペースなど、各加算の適否に応じた額

助成金(基本分)の内訳

「人口密度区分」と「定員区分」の2つにおける基準額を基礎として基本単価を算出します。基本単価と実際にかかった対象工事費用に3/4を乗じた額を比較し、低い方の額が助成されます。

助成金(加算分)の内訳

「環境改善加算」「特殊付帯工事加算」「地域交流・一時預かりスペース加算」「病児保育ペース加算」「共同設置・共同利用連携加算」などのうち、基準に適合した項目があれば、加算支給されます。

整備費助成金の支給額(概算)

総工事費3,500万円のうち、測量や外構工事、厨房設備や備品類を除いた額が3,000万円だったとき、整備費助成金(基本分)は3,000万円×75%=2,250万円です(※これは対象工事の実支出額の3/4であり、実際は基準額上限との比較によって助成額が決定します)。

加算分に適合する「地域交流・一時預かりスペース」を設置していれば、263~288万円が上乗せされて支給されます。

運営費助成金の概要

運営費助成金は、以下4つの支払い項目で構成されています。

月次報告対象月分の運営費(基本分) 地域区分、定員区分、年齢区分、開所時間区分、保育士比率区分の5つの区分における基準額を基礎として助成。
月次報告対象月分の運営費(加算分) 延長保育加算、夜間保育加算、非正規労働者受入推進加算、病児保育加算、預かりサービス加算、賃借料加算、保育補助者雇上強化加算、防犯·安全対策強化加算、連携推進加算、処遇改善加算(Ⅰ・Ⅱ)のうち該当する加算項目を助成。
施設利用給付費 企業主導型保育施設の利用児童のうち、無償化の対象となる児童を対象に「利用者負担相当額」を助成。
利用者負担額減免臨時給付費(臨時措置) 新型コロナウイルス感染症により利用者に利用料減免を行う場合、利用料減額分を助成。

出典:公益財団法人 児童育成協会「企業主導型保育事業 制度紹介」

運営費助成金の支給額(概算)

運営費助成金は、園児1人あたり15~30万円が目安です。

利用者数20名の企業内保育所の場合、毎月受け取れる運営費助成金は20人×15~30万円=300~600万円となります(こちらはあくまで概算であって、実際は地域、子どもの人数、年齢、施設の広さなどにより上下するのでご注意ください)。

運営費助成金を毎月受給するには、電子申請システムを介した「月次報告(実績)」と、年1回の「年度完了報告」を継続しなければなりません。それぞれの内容を解説します。

運営費の月次報告

月次報告の内容は以下の通りです。

申請期限 毎月1日~10日の間 ※ただし2月・3月分の月次報告は年度報告内で行う。
報告内容 前月の運営実績報告
主な申請項目 園児数、職員数、運営実績、加算金など
支払時期 対象月の翌々月末(土・日・祝日の場合は前日の平日)

出典:公益財団法人児童育成協会「企業主導型保育事業(運営費及び施設利用給付費)の諸手続き-月次報告・月次報告再申請・概算交付申請-」

月次報告に加えて、立替払いが必要なときに申請する「概算交付申請」と、事業内容に変更があったときの「事業変更申請」、運営費助成金の差額分を清算する「月次報告再申請」についても解説します。

概算交付申請 翌々月末に支払われる運営費助成金の立替が必要なときに申請する。対象月の1~10日の間に申請することで、申請付きの末日に概算的助成金を受け取ることができる。
事業変更申請 事業内容の変更(加算金に該当する項目の追加・廃止など)があったときに申請する。
月次報告再申請 年度途中までの暫定的な項目や、事業変更申請に伴う当該月次報告との差額分を清算するときに申請する。

出典:公益財団法人児童育成協会「企業主導型保育事業(運営費及び施設利用給付費)の諸手続き-月次報告・月次報告再申請・概算交付申請-」

年度完了報告の流れ

企業主導型保育事業で、助成金受給を完了・継続させるには、年に1度の完了報告手続きが必要です。令和3年の事例は以下の通りです。

申請内容 令和3年度企業主導型保育事業(運営費等)継続申請
対象事業者 令和2年度企業主導型保育事業(運営費等)助成決定事業者
申請期限 令和3年3月25日(木)~4月7日(水)※令和4年度の日程は未定

出典:公益財団法人児童育成協会「企業主導型保育事業(運営費及び施設利用給付費)の諸手続き-月次報告・月次報告再申請・概算交付申請-」

申請期限は毎年児童育成協会より案内が入ります。例年の申告期間は3月末~4月上旬です。

これまでの月次報告と合わせて最終確認が行われ、加筆や修正、追加書類の指示があった場合は提出後再審査となります。審査通過後、正式な助成金額(年額)が決定し、差額分は年度末に交付される助成金と相殺されます。

運営費加算金の中には年1回申請の項目があり、防犯・安全対策強化加算および運営支援システム導入加算は、年度完了報告承認後に清算されます。

企業主導型保育事業の申請に関連する書類は、110種類(運営費60種以上、整備費55種類以上)を超えており、年々増える傾向にあります。

スクルドアンドカンパニーは直営を含む40園の運営実績があるため、助成金や補助金に関する最新の情報を提供できます。助成金や補助金をいくら受給できるのか、申請に必要な書類は何なのか、などお気軽にご相談ください。

スクルドアンドカンパニーの問い合わせ先
電話番号:03-6273-2760
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自治体が独自展開する補助金制度

企業内保育所

自治体の企業内保育所への補助金制度は、各自治体が独自に展開しているため多種多様です。

ここでは、補助金制度を設けている自治体をピックアップするとともに、全国の中でも特に企業内保育所の設置を後押ししている埼玉県を例に挙げて、制度の概要を解説します。

補助金を設けている自治体例

企業内保育所に補助金を設けている自治体と、制度の概要を紹介します。

自治体名 補助金制度名 補助対象者(一部抜粋) 補助対象経費(一部抜粋) 補助額
横浜県横須賀市 企業内保育所補助金 補助対象となる事業について、国の企業主導型保育事業費補助金実施要綱に基づく施設の整備に係る助成金を受けること
  • 保育を実施する上で必要な備品の購入費
  • 外構設置工事費
  • その他保育を実施する上で必要であると市長が認める経費
補助対象経費の総額の4分の3(最大100万円・1,000円未満切り捨て)
福島県 企業内保育所整備事業1型 企業主導型保育事業の助成決定者、または助成の決定を受ける見込みがある者
  • 保育を実施する上で必要となる備品購入費
  • 防犯上必要となるフェンス、園庭、屋外遊具等の整備工事
  • その他企業主導型保育事業を実施する上で必要な工事等として知事が認める経費
  • 常時雇用する労働者数が300人以下の企業は対象経費の4分の3以内(上限1,500万円)
  • 常時雇用する労働者数が301人以上の企業は対象経費の2分の1以内(上限1,000万円)
企業内保育所整備事業2型(単独型・共同利用型) 単独で新たに企業内保育所を整備する者、または複数の企業等が共同で新たに企業内保育所を整備する場合の代表者 新たに企業内保育所を整備するために必要な施設の改修、修繕などの工事費、保育を実施する上で必要となる備品購入費及びその他知事が必要と認める経費 利用定員6名以上のもの 対象経費の4分の3以内(上限375万円)
企業内キッズスペース整備事業 新たに企業内キッズスペースを整備する者 新たに企業内キッズスペースを整備するために必要な施設の改修、修繕などの工事費、運営上で必要となる備品購入費、及びその他知事が必要と認める経費 象経費の4分の3以内(上限200万円)

出典:横須賀市ホームページ福島県ホームページ

埼玉県の補助金事例

埼玉県は平成20年に「埼玉県企業内保育所設置等促進事業」を発足し、企業内保育所に対する補助金制度を継続してきました。
出典:埼玉県「埼玉県企業内保育所設置等促進事業実施要綱」

平成21年の待機児童童数は1,500人であったのに対し、令和2年は1,083人と徐々に減少、令和3年は新型コロナウイルスの影響もあってか388人(対前年比▲695人)と大幅に減少しています。

特徴的なのは補助金制度の内容です。他の自治体は、企業主導型保育事業の運営費助成金に上乗せするような形で制度を設けているのに対し、埼玉県は国の運営費助成金との併用を認めていません。目的はあくまで企業内保育所の新規設置、既存の企業内保育所の拡充にあるためです。

現在、国が推進してきた企業主導型保育事業の新規申し込みは終了しており、今後企業内保育所の設置を検討している企業にとっては注目すべき制度でしょう。運営費の補助対象期間が3年に設定されているなど、サポート体制も魅力的です。

参考URL:埼玉県産業労働部「企業内保育所補助金のご案内」

まとめ:企業内保育所のために補助金を有効活用しよう

企業内に保育所を作るためには、補助金を利用することでより負担なく開設することができます。

ただし、補助金や助成金は返済不要のお金のため、審査は厳しいです。制度の内容は毎年更新され、申請書類に記載する要件も変化します。専門家に依頼しないと作成が難しい書類も多く、時間がかかるので、早い段階から着手しなければなりません。

万一書類に誤りがあれば、受給を継続できない可能性もあり、数値を間違えて申告すれば受給額が減ることもあり得ます。

スクルドアンドカンパニーは、委託実績が豊富です。直営で保育所も運営しているため、補助金や助成金の申請に精通しています。面倒な申請手続きに関するご相談にも無料でお答えしますので、お気軽にお問い合わせください。

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