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  • 2021.07.30
  • コラム

託児所を経営するために必要な知識とは?ノウハウや注意点を紹介

保育園の経営者
託児所の経営を検討しているなら、開所や運営に必要な知識やノウハウを蓄えておくべきです。

今、政府の政策により、女性の労働人口比率と就業率は上昇傾向にあります。それに伴い、保育利用率は年々増加しています。更なる保育の受け皿を確保するため、託児所のニーズは高まる一方です。

この記事では、託児所の種類や経営に必要なノウハウを説明するとともに、運営委託によるメリットについても解説します。

託児所とは?

託児所とは、保護者による保育が困難な乳幼児を預かり、その保育にあたる社会的施設のことです。

従業員の子どもを預かるため企業内に設置したり、商業施設や医療機関などに設置し一時的に子どもを預かるなど、その形態は多岐にわたります。

託児所の種類

託児所は大きく分けて「事業所内保育施設」「ベビーホテル」「一時預かり(その他の認可外保育施設)」の3つに分類されます。

認可保育施設のように、国や自治体による助成金や補助金はありません。ただ、自治体によっては、ある一定の水準を満たした場合に、受給できる場合もあります。

全国の託児所の数は以下の通りです。

施設種類 施設数
ベビーホテル 666
事業内保育施設(企業主導型保育施設を含む) 5,130
事業内保育施設のうち院内保育施設 1,804
認可外の居宅訪問型保育事業 2,916
その他の認可外保育施設 2,505
合計 13,021

デロイトトーマツ「令和2年度子ども・子育て支援推進調査研究事業 人口減少地域等における保育に関するニーズや事業継続に向けた取組事例に関する調査研究報告書」

事業所内保育施設(企業主導型保育施設を含む)が5,130箇所と最も多く、次いで認可外の居住訪問型保育事業が2,916箇所、その他の認可外保育施設2,505箇所と続きます。

次に、託児所の施設種類の概要について解説します。

事業所内保育施設

事業所内保育施設とは、企業で働く従業員の子どもを預ける施設のことです。

基本的には従業員の子どものみを対象としていますが、平成28年に政府が開始した「企業主導型保育事業」の制度で地域枠を設けた施設は、地域の子どもも受け入れています。

企業のオフィス内や事業所、近隣や駅近ビルの一角に設置され、定員10~20人程度の小規模施設が多くみられます。開所時間は利用者である従業員の勤務形態に合わせた内容になっており、土日祝日、夜間、宿泊保育など多種多様です。

ベビーホテル

ベビーホテルは赤ちゃん向けのホテルという意味ではなく、次の条件のうち、どれか一つでも該当する施設のことをいいます。

  1. 午後7時以降も保育を行っているもの
  2. 児童の宿泊を伴う保育を行っているもの
  3. 時間単位での児童の預かりを行っているもの

夜間、宿泊、任意の時間帯預かりなど、保護者の都合に合わせて経営できます。ただ、3のみに該当する施設もベビーホテルに分類されるので、必ずしも夜間預かりや宿泊機能を必要とするわけではありません。

ベビーホテルの開所時間の内訳は以下の通りです。

区分 24時間 宿泊 深夜 夜間 昼間のみ
施設数(割合) 270(21.4%) 100(7.9%) 76(0.6%) 308(24.4%) 507(40.2%) 1261(100%)

厚生労働省「平成30年度 認可外保育施設の現況取りまとめ」

ベビーホテルのうち、宿泊機能を備えている施設は7.9%に留まります。とはいえ、一般的な保育施設は延長保育を利用しても午後8時までしか対応できない施設がほとんどなので、深夜に働く保護者にとってはニーズの高い施設です。

一時預かり

利用児童すべてを一時預かりで対応している施設のことです。

美容院やスポーツクラブ、自動車教習所などの商業施設に常設されていたり、イベントに合わせて臨時で設置されたりします。

託児所を開業するのに必要な知識

託児所

託児所を開業するのに、最低限押さえておきたい託児所経営の基礎知識を紹介します。そのポイントは以下の5つです。

  • 経営者には保育士などの資格は必要ない
  • 料金、運営時間など設定は経営者次第
  • 自治体への届出が必要
  • 設置基準や職員配置基準を確認
  • 開所後も自治体に報告が必要
  • 立入調査の対応

1.経営者には保育士などの資格は必要ない

託児所の経営者に資格や実務経験は求められません。ただ、託児所を運営するときには、一定数以上の資格保有者が必要です。

経営者が無資格の未経験者であっても、託児所経営に成功しているケースは多く見られます。その分、経営的な知識は必要になるでしょう。

2.料金、運営時間など設定は経営者次第

託児所はサービスの内容に応じて、経営者が料金システムや金額を定められます。一般的に、子どもの年齢ごとに月極め、時間単位、延長料金がそれぞれ設定されているケースが多いようです。

公費によって運営される認可保育施設とは異なり、児童の集客も経営者です。そのため、国や自治体の助成対象となる施設を除けば、保育料の規定は特にありません。

ただ、託児所経営者にはサービスの内容や利用料等について掲示する義務があり、保育料を引き上げる場合は、変更が生じた理由を施設内に掲示する必要があります。合わせて、保護者に通知するか、直接説明しなければなりません。
出典:厚生労働省「認可外保育施設に係る届出対象施設の拡大について」

3.自治体への届出が必要

原則として、1日に保育する乳幼児数が1人以上の施設は、児童福祉法に基づき届出が必要です。届出のタイミングは事業開始から1カ月以内であり、必要な手続きを怠ると罰則が科されることもあります。

以下に該当する場合は届出対象外です(届出対象外であっても、自治体によっては指導監督の対象になることがあります)。

届出が必要ない種類 施設内容 対象外の事例
一時預かり児童を含め、対象児童が限定されるもの 店舗等において顧客の乳幼児のみを対象にした一時預かり施設(デパートなどの商業施設、診療所、自動車教習所などに設置される一時預かり)
  • 対象児童が限定されていることが約款やパンフレットなどの書面で確認できない場合
  • 顧客の乳幼児以外の乳幼児を預かる場合
  • 乳幼児を預けている顧客が託児所設置場所を離れ、他の事業者が提供するサービスを受ける場合は届出が必要
親族間の預かりあい、乳幼児の保護者と親しい友人や隣人等による預かり
  • 対象児童が限定されていることが約款やパンフレットなどの書面で確認できない場合
  • 5親等以上(親族はいとこ、甥姪の子など4親等まで)
  • 不特定多数を対象に保育業を営んでいる者が、たまたま知人や隣人の子どもを預かる場合は届出が必要
臨時に設置される施設 6カ月を限度に設置されるもの(商業施設のバーゲン期間や、スキー場のオープン機関のみ設置される一時預かり) 対象児童が限定されていることが約款やパンフレットなどの書面で確認できない場合は届出が必要

出典:内閣府「新たに届出がなされる認可外保育施設の確認の取扱いについて」

届出の際に必要な書類は「設置届」「施設調書」の2種類であり、自治体により形式や添付書類は異なります。

添付書類は、「案内図」「配置図」「施設平面図」「職員名簿」「保育士・看護師の資格を確認できる書類の写し」「保険会社との契約書類の写し」「パンフレット」「料金表」「シフト表(勤務実態参考資料)」などが一般的です。

4.設置基準や職員配置基準を確認

託児所を経営するにあたり、安全の観点から保育内容、保育従事者、施設設備などを「認可外保育施設指導監督基準」に適合させる必要があります。合わせて「建築基準法」「消防法」「食品衛生法」「労働基準法等関係法令」を遵守しなければなりません。

事業所内保育施設の設置基準参考(一部抜粋)

設置場所 面積(2歳未満1人あたり) 職員配置基準 資格保有者数
  • 事業所内の敷地内
  • 事業所近接地
  • 従業員の通勤経路
  • 従業員の居住地の近接地
定員20名以上

  • 乳児室 1.65㎡以上
  • ほふく室 3.3㎡以上

定員19名以下

  • 乳児室またはほふく室 3.3㎡以上
  • 乳児おおむね3人につき1人
  • 満1歳以上満3歳に満たない幼児おおむね6人につき1人
  • 保育士資格保有者は配置基準人数の半数以上
  • 1名に限り、保健師、看護師または准看護師を保育士とみなすことができる

出典:厚生労働省「認可外保育施設指導監督基準」

認可外保育施設のより詳しい設置基準については、以下で開設しています。

認可外保育施設の設備・運営の基準とは?補助金についても解説

5.開所後も自治体に報告が必要

自治体により詳細は異なりますが、開所1カ月以内の届出とは別に、年1回の定期報告が必要です。

そのほか、事故発生時、5日以上継続して長期滞在している児童がいるときなども、報告の義務があります。

6.立入調査の対応

託児所が児童を保育するのにふさわしい内容や環境を提供しているか確認するため、自治体が国の「認可外保育施設指導監督の指針」と「指導監督基準」に沿って立入調査を実施しています。

届出をした託児所の立入調査は、原則として年1回以上です。ベビーホテルに関しては、必ず年1回以上が義務付けられています。主な調査項目は以下の通りです。

雇用面 設備面 運営面
  • 保育従事者の数
  • 保育従事者の資格
  • 施設に備えるべき帳簿 など
  • 保育室の構造、設備、面積等
  • 非常災害に対する措置
  • 保育室を2階以上に設ける場合の条件 など
  • 保育内容
  • 給食
  • 健康管理
  • 安全管理
  • 利用者への情報提供 など

自治体によっては、過去3年分の立入調査結果をホームページで公開するなどしています。

託児所を経営する際の注意点

病院内託児所
託児所は認可保育施設に比べて規制が緩いため、開業する場所や料金、職員数、保育の内容まですべて経営者判断となります。

そのため、過去には利益を優先させた劣悪な施設も存在し、ベビーホテルに関しては事前通告なしの立入調査が実施されます。

また、保育施設向けの設備基準は、法整備や施行後の状況によって変化します。基準割れや違反が見つかれば、改善状況報告書の提出を求められ、最悪事業の停止・閉鎖を命じられる可能性もあるのです。これらに順次対応していくには、専門的な知識が必要です。

スクルドアンドカンパニーは、設置基準や面倒な申請手続きなど、あらゆるご相談を承ります。託児所開業コンサルティングでは、開業にあたっての支援や提案をいたします。

スクルドアンドカンパニーの問い合わせ先
電話番号:03-6273-2760
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認可外保育施設は経営を委託する方法もある

託児所の中には、自主運営による経営悪化から、運営を委託する経営者も少なくありません。

実績やノウハウがないと人材を教育していくのは難しく、保育士を確保できたとしても、優秀人材を定着させるのは難しいでしょう。

委託会社に依頼すると委託料を支払うことになりますが、業務負担が大幅に軽減されるなど、結果的にコスト削減につながります。

託児所を経営していくには、豊富な経験や知識による判断が必要です。託児所の開所コンサルを兼ねている委託業者なら、開所時期の見極めや地域の情勢、物件情報の提案なども期待できます。

委託業者により費用やサービス内容は異なるため、事前にメリット・デメリットを把握してから比較検討すべきです。

委託業者の選び方については、以下の記事で詳しく解説しています。

保育園の運営会社はどこがいい?選び方のポイントと注意点を紹介

まとめ

託児所の経営は、保育士資格がなくてもスタートできます。ただ、設置基準や自治体の申請、立入調査対応など、知識やノウハウがないと負担が大きくなるのは明確です。運営を委託することで、保育士の定着や保育サービスの向上、運営に関する問題をクリアにできます。

スクルドアンドカンパニーは、直営を含む40園以上の保育所運営実績があります。託児所の設置基準や面倒な申請手続きに関するご相談にも無料でお答えします。開設から運営までフルサポートいたしますので、お気軽にお問い合わせください。

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