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  • 2021.10.27
  • コラム

認可保育園の条件とは?企業なら事業所内保育事業がおすすめ

認可保育園の子供

保育園を開業するときには、どのような条件があるのでしょうか?

保育園には認可保育園と認可外保育園がありますが、認可保育園はより厳しい条件をクリアしなくてはなりません。

この記事では、認可保育園を開業する際に必要な条件と、市町村の認可事業である事業所内保育事業の開業について解説します。

認可保育園を開業するのに必要な条件とは?

ここでは、厚生労働省「保育所の設置認可等について」を元に、認可保育園の開業に必要な条件について解説します。

※法人の種類や自治体によって条件に違いがあるため、詳細は各自治体の相談窓口にてご確認ください。

経営者に資格は必要ないが社会的信望は求められる

認可保育園の経営者は、「社会的信望を有すること」を求められます。保育士など、特別な資格が必要との記載はありません。

社会的信望の要件には、以下のようなものが含まれます。

  • 反社会的な組織等と関係がない。
  • 税金を滞納していない。
  • 保育事業において、過去に児童の死亡事故またはそれに準ずる重大な事故を起こしていない。
  • 社会福祉事業に関する知識または経験がある。

施設長と従業員に必要な資格

園の実務を担当する幹部職員(施設長)は、「健全な心身と児童福祉事業に対する熱意を持ち、施設を適切に運営できる者」であることが求められます。

また、次のうちいずれか1つを満たしている必要があります。

  • 保育士資格を有し、認可保育所において常勤職員として2年以上の実務経験を有する者。
  • 児童福祉事業に2年以上従事し、「保育所初任保育 所長研修会」または「社会福祉施設長資 格認定講習課程」を修了した者。
  • 社会福祉主事の資格を有し、かつ児童福祉事業に2年以上従事した経験を有する者。

※自治体によって年齢制限や、さらに細かい実務経験について定められています。

園児の保育を担当する従業員は、国の配置基準に応じて保育士資格保有者が必要です。

保育園を経営するための経済的基礎がある

保育園をチェックする人

認可保育園を設置するには、保育園を経営するための経済的基礎が必要です。ここでの経済的基礎とは、不動産と預金のことです。

不動産

保育園を経営するために必要なすべての物件について所有権を有しているか、国や地方公共団体から貸与、使用許可を受けている必要があります。

例外として、規制緩和策(厚生労働省「不動産の貸与を受けて保育所を設置する場合の要件緩和について」」)も設けられています。

預金

普通預金や当座預金などに、年間事業費の12分の1以上に相当する資金を有している必要があります。保育園の運営にかかる費用については、以下の記事で詳しく解説しています。

保育所の運営費とは?費用相場と適正化ポイントを紹介

過去に不正や今後不誠実な行為がない

過去に不正があったり、この先不誠実な行為をしたりする恐れがあると判断されれば、審査は通過できません。

不正や不誠実な行為とは、児童福祉法違反による事業の停止や、虚偽の報告による行政処分などが該当します。

財務内容が適正である

認可申請における適正な財務内容とは、以下のようなものです。

  • 直近の会計年度において、法人全体の財務内容が3年以上連続して損失を計上していない。
  • 法人およびその経営者が、公租公課(国や自治体に納める金銭的負担)を滞納していない。

児童福祉法で定められた基準を満たしている

認可保育園の場合、運営費の大半は自治体から補償されるため、厳しい設置基準が設けられています。

建物ののべ床面積、園庭の広さ、保育士の人数などが細かく定められており、それらをすべてクリアしなければなりません。

保育園の設置最低基準

入所対象 0歳~小学校入学前の児童(2歳未満1割以上、3歳未満2割以上)
定員 60名以上
職員数
  • 0歳児おおむね3人につき1人以上
  • 1歳児および2歳児おおむね6人につき1人以上
  • 3歳児おおむね20人につき1人以上
  • 4歳以上児おおむね30人につき1人以上
資格 保育士(保健師または看護師の特例あり、1名まで)
保育室等の設備
  • 乳児室またはほふく室:0歳児および1歳児1人あたり3.3㎡
  • 保育室等:2歳児以上1人あたり1.98㎡
  • 屋外遊技場:2歳児以上1人あたり3.3㎡以上(保育所外の公園等を含む)
給食 自園調理または委託

引用:厚生労働省「児童福祉法」

定員数は60名以上と多く建物や設備の基準も厳格なため、初期投資は大きくなります。企業が事業所内に保育園を開設するなら、この後紹介する事業所内保育事業も参考にしてください。

帳簿や証憑書類を準備する

認可保育園を運営するにあたり、それに係る帳簿や証憑書類を準備しなければなりません。開業の準備段階で、以下3つの項目を作成します。

  1. 収支計算書、または損益計算書において、保育所を経営する事業に係る区分を設ける。
  2. 厚生労働省「社会福祉法人会計基準の制定について」に定められた資金収支計算書、および資金収支内訳表を作成し、保育所の各施設ごとに経理区分を設ける。
  3. 経理区分ごとに、積立預金の累計額を記載した積立預金明細表を作成する。

毎年必要書類を都道府県知事に提出する

毎会計年度終了後3ヵ月以内に、以下の書類と現況報告書を都道府県知事宛てに提出しなければなりません。

  1. 前会計年度末における貸借対照表。
  2. 前会計年度の収支計算書又は損益計算書。
  3. 3に定める保育所を経営する事業に係る前会計年度の資金収支計算書及び資金収支内訳表。
  4. 3に定める保育所を経営する事業に係る前会計年度末における積立預金明細表。

認可保育園を開業するには、ここまで説明してきた条件をすべて満たさなければなりません。申請に必要な書類は30種類以上、専門家の知識がないと作成が難しいものもあります。

スクルドアンドカンパニーは直営を含む40園以上の運営実績があり、開業サポートも承っております。お気軽にお問い合わせください。

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認可保育園の条件をクリアするには?

認可保育園の基準は厳しく、自治体によっては国よりもさらに厳しい基準が定められています。

保育事業に縁のない企業が「認可保育園を運営したい」と自治体の窓口に相談しても、開業までスムーズに進まないかもしれません。そういった場合、次のような選択肢があります。

事業所内保育事業を検討する

事業所内保育園

事業所内保育事業とは、企業が主体となって保育を提供する事業のことです。利用の対象となる児童は0~2歳で、従業員の子どもに加えて、地域の子どもにも保育を提供します。

2015年に地域型保育事業に組み込まれたことで市町村の認可事業となり、補助金の受給対象となりました。設置場所は事業所内のほかに、通勤途中にあるビルテナントなども許可されています。必要な準備期間は半年程度で、認可保育園に比べ開業しやすいのが特徴です。

事業所内保育事業については、以下の記事で詳しく解説しています。

事業所内保育とは?事業所内に保育所を設置、運営するのに必要な知識まとめ

運営を保育事業者に委託する

保育事業は運営を保育事業者に委託できます。委託業者は保育士採用や人件費のコントロール、教育カリキュラムなどのノウハウを持っているため、安定した運営を期待できます。

認可保育所として可能かどうかの判断や、申請の準備や手続きなどをすべて行ってくれます。委託先を決めてから自治体との交渉に入ることで、審査をより有利に進められます。

運営を委託業者に依頼するメリットや、委託業者の選び方については以下の記事で詳しく解説しています。

保育園の運営会社はどこがいい?選び方のポイントと注意点を紹介

認可保育園を取り巻く環境と今後の見通し

2021年現在、認可保育園を取り巻く環境や今後の見通しについて解説します。

認可保育園の多くは私立

認可保育園は、民間が運営する「私立保育園」、市区町村の自治体が運営する「公立保育園」、自治体の建物で事業委託を受けた民間が運営する「公設民営」の3つに分けられます。

最新の統計によると、公立保育園が35.4%、私立保育園が64.6%で、私立保育園が公立保育園を大幅に上回っています。

過去には、市町村と社会福祉法人しか認可保育園の設置が認められていなかったため、ここ30年間で新設された保育園のほとんどは私立の認可保育園です。

参考:自治体問題研究所「【論文】すすむ公立保育所民営化と公の役割」
参考:内閣府「保育所等の運営実態に関する調査結果」

2024年までに約14万人の保育の受け皿を整備

政府は2021年4月より「新子育て安心プラン」を進めています。新子育て安心プランとは、待機児童の解消や女性の就業率の上昇を踏まえ、約14万人の保育の受け皿の整備し、幼稚園やベビーシッターを含む地域の子育て資源の活用を進めるものです。

プランを実現するための予算は約1,440億円で、事業拠出金と高所得世帯の児童手当廃止分が財源に充てられます。新子育て安心プランや、幼児教育・保育の無償化により保育ビジネスの需要は拡大しており、都市部を中心に保育園の増加が見込まれています。

参考:厚生労働省「新子育て安心プラン」

まとめ

厳しい基準をクリアして開業した認可保育園は、国や自治体から補助金を受給でき、利用者である保護者からも安心や信頼を得られます。ただ、人口密集地での保育面積の確保や、保育士採用は簡単ではありません。

企業が保育園を開業するなら、子ども・子育て支援新制度における事業所内保育事業の活用をおすすめします。整備費等の補助率の嵩上げや、常勤保育士の規制緩和などが盛り込まれており、参入しやすくなっています。

スクルドアンドカンパニーには、認可申請の実績やノウハウがあります。物件の提案や申請書類の準備など、開業までトータルサポートできますので、お気軽にお問い合わせください。

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